太陽光発電とトランクルーム、どっちが儲かるのか(その4)|vol.53

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

(この記事はその3の記事の続きです。)

とにかく、太陽光発電と比較して、トランクルームの収益性はどうなのでしょうか。

初めの記事をアップしてから日にちが空いてしまったので、今回の比較対象の太陽光発電と比べてみましょう。

まずは、太陽光。借入を起こさない場合。

 

1.太陽光発電の物件概要

届いたものの1つは、こんな物件でした。イメージがつかめるでしょうか。

場所: 大阪隣接県(関西電力管内、供給制限なし)
価格: 2500万円
年収: 300万円(フル稼働時)
利回り: 12% ( ← 300万円÷2500万円)
発電設備: 低圧55kw ※1
発電量: 7万5千kWh(キロワット時)
FIT※2価格: 40円

※1: 高圧ですとメガソーラー扱いになり、専任の管理者を置いたりいろいろコストがかかります。5億以上お持ちならメガソーラーがおすすめですが、1億前後かそれ以下の場合は低圧がおすすめです
※2: 再生可能エネルギー固定価格買取制度における買取価格(Feed-In Tariff)の略。

土地は借地ですので、上記2500万円には土地の購入代金は含まれません。代わりに売電収入から毎年10万円を地主様にお支払いします。

2.トランクルームの物件概要
自己所有地にトランクルームを設置する場合で検討してみましょう。
(土地から購入する場合の比較も後段で行います。)
(この記事を熟読されると結果は自明かと思いますが、アパ・マン投資との比較も行います。)私が実際に保有している物件で比較してみます。そのほうがリアリティがあってよいでしょう。
場所はびっくり、ど田舎(地元のみんなすまん!)の岩手県盛岡市、盛岡駅から徒歩75分のところにある、3年間入居ゼロの青空駐車場をつぶして作ったトランクルームです。地元の不動産屋さんにここなら立地もいいし駐車場ニーズすごくありますよ!といわれて思い切って購入した駐車場が、3年間入居ゼロだったんですよ!すごいでしょう。えっへん<(`^´)>(開き直って胸を張るワタクシ) 

場所: 岩手県盛岡市 住宅地の中にポツンと。
地積: 169坪(約561平米)
収納庫投資額: 734万円(※2)
年収: 446万円(満室時。税後、運営委託手数料控除後)
利回り: 60.7% (平均空室率10%としても、46%)
損益分岐点空室率: 73%(入居率17%で収支トントン)

その他運営経費:構内電気照明代、運営委託費など。

太陽光の物件例では借地の上に太陽光発電設備を設置しましたので、地代を支払いました。

地代は、この物件自体は私の所有している土地上にあるので支払う必要はないのですが、概算すると以下の水準となります。

トランクルームにする前は青空駐車場でした。そのときの満室時の賃料(6.5万円=5千円x13台分)を徴収するなら年間78万円。

第三者が土地オーナーだったとして倍請求したとしても年間156万円。

この土地は169坪でおよそ560㎡あります。この辺の借地料の相場は坪当たり毎月700円でも高いほうです。高めに設定して借地料の相場は月11.8万円(700円/坪x169坪)。年141万円。

地代を高めに年141万円と想定し、税後・手数料控除後の年収446万円から引いたとしても手元に300万円以上残ります。

トランクルームの設置費用自体は800万弱です。

それでも利回りは40%。
40%です。

 

アパ・マン投資の10%利回りとか、太陽光の10%利回りって何なんだろう?と考えてしまいます。
(金融機関が貸出競争に走りローン金額が膨らみがちなので、つられて物件価格が上昇し利回りが下がってしまうのですね)

 

ちなみに当該土地を買った場合はどうなのでしょう。私は相続がらみで共有者7名という現金化しないと被相続人間で財産分与できない状況のものに出会ったおかげか、相場の3割下で購入でき1700万円(坪10万円)支払いました。この場合は地代は支払わなくてもよいですが、利回りは
粗利回り 22.1%(=539/2434)
純利回り 18.3%(=446/2434)
です。

アパ・マンで中古は言うに及ばず、新築物件でもこの利回りはなかなか出ませんよね。

この土地を相場並みで購入したとしましょう。すると土地代は2200万円です。利回りは
粗利回り 18.3%(=539/2934)
純利回り 15.2%(=446/2934)
です。
これでもまだまだ、新築および中古アパ・マン投資、戸建て投資、太陽光発電をはるかに凌駕する利回りですよね。

上で紹介した表ですが、一番下に書いてある「収益分岐点空室率」とは、空室率が何%になると収支トントンになるか、という指標です。
73%ということは、入居率17%で収支トントンなのです。

すごいと思いませんか?
どんなにひどい物件でも、賃貸経営に取り組んでさえいれば、この入居率よりは良い入居率となるでしょう。

 

収益不動産投資家の皆さん、太陽光発電投資家の皆さん、損益分岐点売上高や損益分岐点入居率(太陽光の場合は損益分岐点発電量)を把握していますか?していないと後で大やけどしまっせ。

 

こんなツッコミが入りそうですね。
「太陽光発電は減価償却の特例により、平成29年3月までであれば50%の特別償却が可能でした。その分法人税(個人事業主の方の場合は所得税)が圧縮できます。納税せずに済んだ分、投資家は自己資金を取り戻せるわけなので、その分を加味すると太陽光発電のリターンはもっと良いのでは?」

 

では、減価償却を加味すると、太陽光の投資分析はどう変化するのでしょう。トランクルームも減価償却資産ですから、併せて分析し比較してみたいと思います。

 

節税効果も加味したうえでの投資比較に興味のある方は(この一文を違和感なく読める方は実力の高いビジネスマンか、投資家としてかなり上級レベルの方と思われます)、次の記事をご覧ください。

太陽光発電への投資とトランクルームへの投資、減価償却費を加味した節税効果込みでの投資収益性について比較結果を知りたい人は次の記事(その5)をご覧ください。

 

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