この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
不動産投資の法人化形態とは ②・③
タックスメリットを得るための収益不動産投資の法人化形態のうち、1つ目の不動産保有法人を作る方法を前回のブログでご紹介しました。実はほかにもありますので、今回のブログでは残り2つをご紹介します。
②不動産管理会社をつくる形態
これまでの不動産投資における法人化の形態としては、多く見られました。
設立した不動産管理会社に物件の管理を委託することによって管理業務委託契約を行い、物件のメンテナンスから入退去の管理、賃料の回収などの業務を行います。
しかし、投資家が設立した管理法人が全ての管理業務を行うのは簡単なことではないので、 実務的には、管理業務の一部又は全部を、さらに専門の管理会社に外注することになります。
ただし、その場合、管理法人としての実態があるのかどうかを行政機関や税務署から指摘を受けやすくなるマイナス要因となってしまう恐れがあります。
管理科の相場は、第三者に外注する場合で5%ほどです。
仮に600万円の賃料収入があったとしても、3万円しか管理科として認められないのでは法人の維持管理コストも賄えません。
導入が容易であるという利点はありますが、費用対効果は、賃料収収入がかなり多くないと効率の悪い形態となってしまいます。
③サブリース法人をつくる形態(個人所有の不動産を法人に一括借り上げさせる)
今までのブログでも何度かサブリースについてご紹介してきました。
サブリースは簡単に言えば、「転貸を前提とした一括借り上げ」のことです。
不動産投資家つまりオーナーが管理会社に対して一括で物件を賃貸し(マスターリース)、その物件の部屋を管理会社が、第三者(入居者)に転貸(サブリース)する形態のことです。
この場合、オーナー(個人)と設立した管理会社でサブリース契約を締結し、相場賃料の85%程度で一括借り上げを行い、管理会社は差し引き15%の収益を得ることになります。
空室リスクはオーナー個人ではなく管理法人が負うことになります。
仮に600万円の賃料収入があれば、90万円の収益をサブリースを行う管理法人にシフトすることで、その分個人の課税を抑えることができます。
ただし、サブリース形態の場合も、税務署は契約ベースではなく実態ベースで判断するため、適切な契約かどうかを調査される際には、指摘を受けやすい恐れがあるので注意が必要です。
収益にかかる税制面の優遇およびリスクという点を考慮すると、相続対策上不利とならないように気をつければ、前回のブログでご紹介した不動産保有会社をつくる形態が、一番確実にタックスメリットを活かしやすいということがいえます。
そしてここからは、不動産保有会社を設立して、具体的に物件を取得する際の税務戦略として、効果的な方法をご紹介したいと思います。
都心でトランクルーム経営を学ぶことができるセミナーを定期的に実施しています(開催日程を知りたい方はクリック)。
少人数私募債を使った資金調達
法人による収益不動産を購入する資金をどのようにして調達するか。
ここでも個人と法人を合わせて考え、手取りキャッシュフローを増やすための戦略が重要になります。
仮に、物件購入費用の頭金を投資家個人から法人に貸し付けるとします。
その場合、法人側はオーナー個人に借り入れ利息を支払う必要があります。
利息を受け取るオーナーは個人の雑所得として、総合課税による税率で、最高税率であれば50%が課税されます。50万円の利息であれば25万円が税金になるのです。
このようなケースでも、法人であれば対策を講じることが可能です。
社債(少人数私募債)の発行によって、投資資金を調達するとともに課税額を低くするというものです。
注:不特定多数(法律上は50名以上の人・法人に対して資金を募ることは、免許を取得していない者については禁止されていますのでご注意ください。)
つまり、オーナー個人が社債を引受けるというかたちで法人の資金調達を行うのです。
不特定多数の投資家を対象として発行する公募債と違って、少人数私募債は簡単に発行することが可能です。
そして、少人数私募債の大きな利点は、私募債引受者が受け取る利息収入は「利子所得」として源泉分離課税になり、15%の所得税と5%の住民税が源泉徴収されるだけになります。
よって、法人での不動産収益にかかる限界税率が20%を超であれば、節説になるといえます。
具体的な数字で例えると、50万円の受取利息を受け取ったとしても、40万円が手元に残ることになります。
この少人数私募債を使って、収益不動産物件を取得するスキームをつくることで、不動産投資家は個人としても法人としても、メリットを享受することができ、税引き後のキャッシュフローを増やすことにもつなげることが可能になります。
人気ブログランキングに登録しています。ブログ執筆の励みになるので、おもしろかった・参考になった記事の時はポチっとクリックお願いします。
きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。
関東圏にお住まいの方は、都心で投資スキルをあげていただくためのセミナーを定期的に実施しています(毎週開催)。
セルフストレージ(トランクルーム、レンタル収納)投資のための知識も身につきますし、個人投資家をだます悪徳仲介業者からあなたのお金を守る方法(実経験に基づく)についてもお話しすることがあります。二重売買契約に知らずに加担し、ひどい目に合わないように(知らずとも加担すれば有印私文書偽造、詐欺として訴えられたり、融資行から貸付金の即時返還を求められますよ あなたはブラックリスト行きになりますよ それでも、やるの?)、しっかり学んで楽しく投資をしましょう。
開催予定はこちら。トランクルーム投資セミナー開催中!リスクの少ない資産運用の秘訣
ポータルサイトにあなたのトランクルームを掲載しませんか?1ブランド(1運営会社、1個人事業主)につき3店舗までは無料! ⇒ トランクルーム・レンタル収納検索|MYKURA.COM
運営:満室経営研究会 (運営 日本公共収納(株))
略して満研(まんけん)。「無料会員登録」画面からメールアドレスを登録していただきますと、翌日以降物件速報が届くようになります。