同じ土地面積でも使い勝手の良さで相続税の評価額は違ってくる|vol.249

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昨日は土地の評価額を減らせるかもしれないケースについてご紹介しました。逆に加算されるかもしれないケースについてご紹介していきます。

土地の相続税は一般的に、路線価を基準に算出されるため、路線価で算出したものに加算されるケースというのは多くりません。
これからご紹介するものだけといってもいいでしょう。


接する道路の数が二つ以上だと加算される


(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。


加算される土地の条件とは?

加算される土地の条件は、土地が二つ以上の道路に接している場合です。
正面と側面が道路に接している角地、正面と裏面、側面と三方が道路に接している土地などです。

こうした土地は建物を建てる際の条件が良く、人や車両の出入りも容易となり、利用価値が高くなることから、路線価に一定の加算をします。その分、相続税の評価も高くなります。

角地の場合は側方路線の加算を行う

角地の場合は側方路線の加算を行います。
2つの道路に面している角地では、まず正面路線価を決めます。

正面路線価は、 2つある路線価に奥行価格補正をして評価額を算出し、高い金額となったほうを正面路線価(ア)とします。
これが基本となる1㎡あたりの評価額となります。

低い金額のほうは側方路線となるわけですが、この側方の路線価(路線価×奥行価格補正率)に側方路線影響加算率をかけて、金額(イ)を出します。

アとイを足したものが角地の評価額になるわけです。

角地評価額=(ア)+(イ)

この評価額に土地の面積をかけることによって、その土地の評価額が算出されます。

準角地の場合も加算を行うが角地よりは限定的

角地のうち一つの道路が折れ曲がって、その内側に接している土地は「準角地」と呼ばれます。
角地よりに比べると利便性は低くなるものの、一辺のみ道路に接する土地よりは価値が高いので、この場合も加算されます。
しかし、加算率は角地よりは低くなります。

接する道路が複数の場合も加算を行う

正面と裏面で道路に接している土地も角地と同様に、それぞれの路線価に奥行補正をして正面路線価(ウ)を決めます。
それから裏面となった路線価に二方路線影響加算率をかけて、加算金額(エ)を算出し、評価金額 (ウ+エ) を算出し、それに土地の面積をかけて評価額を計算します。

土地が3つの道路に接している場合は三方路線の加算を、四方を道路に囲まれている場合は四方路線の加算を行います。
つまり、接する道路の数が多くなるにつれて加算は大きくなるのです。



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奥行が長く間口の狭い土地は評価が下がる


同じ面積で同じ路線価の道路に接している土地だったとしても、評価額が必ず同じになるとはかぎりません。
土地は使い勝手の良さ=利便性の高さで評価額は違ってきます。

例えば、同じ面積であったとしても、Aは正方形の土地、 Bは間口が狭くて奥行が長い長方形の土地、 Cは間口が広くて奥行が短い長方形の土地だとします。

同じ面積、同じ四角形でも、市場で一番需要が高くなるのは、使い勝手がよさそうなAの土地になります。
それに比べると、 BとCは建てられる建物も限定的なものになってしまうため、使い勝手が悪くなります。
よって、たとえ同じ面積でも、この3つが同じ評価になるということにみなさんもおかしいとと思うはずです。

実際の取引でも、奥行が極端に長い、または短い土地の評価は低くなります。
相続税の評価額も例外ではありません。

そのため、奥行補正(奥行の距離に応じて路線価を補正)をするのです。
奥行補正は路線価に「奥行価格補正率表」の補正率をかけて路線価を減額します。
普通住宅地区の場合、奥行が10m未満、または24m以上の場合は路線価が減額される対象となります。

東京都内の住宅地では、一区画あたりの土地が狭いため、それに伴い、間口の狭い建売住宅が増えました。
土地が狭い分ため、そうした住宅の多くが2階建てではなくて、3階建てになっています。
建物については別にいいのですが、土地は前述したように間口の狭い土地の評価は低くなるので、間口距離に応じて間口狭小補正率をかけ、1㎡あたりの価格を減額します。

東京都内の普通住宅エリアの場合、間口が8m未満だと減額の対象になります。

また、間口が狭く奥行が極端に長い土地の場合は「奥行長大補正」ができます。
奥行長大補正は、「奥行距離÷間口距離」で計算し、奥行が間口の何倍あるのかを見るもので、 2倍以上あると減額になります。


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