法人から経営者への資産シフトに法人保険を活用する | vol.351


法人から経営者への貸付方法はおすすめできない


法人で築き上げた資産を何らかの形で、経営者の手元にいずれはシフトしたいと考える人は多いと思いますが、どのような方法で資産をシフトするかによって課せられる税金は大きく変わるため、十分に注意する必要があります。

資産をシフトする方法は、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 経営者に給与(役員報酬)として支払う
  2. 役員賞与(ボーナス)として支払う
  3. 退職金として支払う

これらが一般的な方法ですが、他にも、手っ取り早い方法としては、「法人の資金を経営者に貸し付ける」という方法もあります。
分かりやすくいうと、経営者が法人の資金を自らのお金のように使いながらも、会計上は「貸付」として処理するという方法です。

しかし、この方法は、どんぶり勘定のようなものですから、他の方法に比べると特殊な方法といえます。
さらに、経営者は最終的には、借入したお金を法人に返す必要があるため、根本的な解決にはなりません。
もっというと、銀行対策上もやってはいけない方法です。法人で借入を起こそうと思った時に銀行があなたの会社の決算書を見て、「この社長は銀行が貸したお金を生活費や個人の財産として使ってしまうのではないか?」と疑念を持たれますので、融資額の減額や期間の短縮、最悪の場合には融資謝絶(要はお断り、門前払い)となります。

それでは、どのような方法で資産をシフトするのが最も効果的なのか、ひとつひとつ詳しく見ていきます。

まず、役員報酬として支払う方法について。
役員報酬を引き上げることによって高い所得税が発生し、経営者の手取り額は大きく減ってしまいます。
また、役員報酬の変更にはルールがありますので、そのルールを逸脱した安直な引き上げはしないほうがいいでしょう。

次に、役員賞与として支払う場合はどうでしょうか。

こちらも役員報酬の場合と同じように、高額な所得税が発生してしまう可能性があります。
さらにいうと、そもそも役員賞与は、原則的に損金とみなされません。
会計上は経費となりますが、税務上は「損金不算入」という仕組みになっているのです。
そのため、賞与をたくさん支払っても、その分は損金とならず課税所得が減るわけではないので、節税メリットは享受できません。
ただし、一定の期限までに 「当期は賞与をいくら払います」と税務署に事前に申告していれば、賞与も損金として計上可能です。
とはいっても、過大な金額であれば税務否認となる恐れもあるので、注意しなければなりません。

最後は、勇退退職金として支払う方法です。
退職金は、分離課税のため、他の所得と合算されずに単独で課税されるものです。
そのため、最大で50%の所得税が適用されず、実質税率を大幅に下げることもできるため、経営者が法人から資産をシフトする手段としてはベストといえるでしょう。
ただし、退職金にも適正額が決められているので、あまりに多くの資産をシフトできないケースがあります。

(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。
このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。



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返戻率が大幅に上がる直前の時期に法人保険を買い取る


それでは、 どのように資産をシフトすればよいのでしょうか。
実はここでも、法人保険が効果的となります。
まず、経営者を被保険者にした法人保険を、「解約返戻率が低い最後の年」に、経営者自ら買い取ります。
この時点で、保険という資産が経営者の元に移ったことになります。
前回までのブログでご紹介しましたが、解約返戻金の返戻率は、経過年数などの条件によって異なります。
法人保険の商品によっては、ある年を境に返戻率が大幅に高くなるものもあります。

たとえば、保険の評価は返戻率で決まるため、4年目の返戻率が10%、5年目の返戻率が98%という法人保険を経営者が加入後4年目に100万円で保険契約を買い取ったとすると、翌年返戻率が98%になったときに解約すれば、解約返戻金は980万円にものぼります。
この場合、「返戻金980万円―買取り額金額100万円」で、差額の880万円が経営者の実質的な所得ということになります。
ちなみに、返戻率が高くなってから買い取る場合には、買い取り金額も高くなるため、タックスメリットをほとんど享受できなくなってしまいます。
よって、返戻率が低い時期に買うことが大切なポイントです。

このようにして生じた差額分は、当然課税対象になりますが、税務会計上は「一時所得」として取り扱います。
つまり、50万円の特別控除を差し引いた金額の50%が課税の対象となります。
先の例でいえば課税対象額は「880万円-特別控除50万円」×50%で算出され、415万円が所得税の課税対象となるのです。
このような法人保険を利用した資産のシフトは、他の方法に比べると支払う税金も少なく、効果的な資産シフトの方法といえます。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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