法人の予想利益から逆算して配当金を支給しよう|vol.414

留保金課税を避けるための配当金支給

通常、同族会社は経営者と所有者が一致していますので、毎期毎期の予算を計算しながら役員報酬を支給すれば節税対策はあまり必要ありません。しかし、利益が予想を上回ってしまったときには、法人税当に加えて留保金課税もかかってきてしまいます。また、他の役員との兼ね合いから社長の役員報酬額を同じ位にしている場合もあると思います。このような場合には配当金を活用した節税が有効です。利益から株主の権利として配当金を受け取るという仕組みです。 他の役員も株主である場合には自分と役員の双方にメリットがあります。会社と株主、つまり支払う側と受け取る側双方に節税メリットがある配当金ですが、ここではまず受け取る側のメリットについて説明しましょう。

配当控除の仕組み

まずは、所得税の配当控除を活用しましょう。配当控除とは、配当等について総合課税を選んで確定申告をした場合に適用となる税額控除です。配当控除は法人税が課された後の利益を株主に分配される株式の配当から、さらに所得税を課すと二重課税になってしまうことから設けられた控除です。 控除額は課税所得金額1,000万円以下の場合は配当所得金額の10%相当、1,000万円を超える場合は超過分について当所得金額の5%相当額となります。他の控除と比較して、配当控除は税額を差し引けるため、大きなメリットがあります。(控除額はその年の税額が上限)

配当控除の計算例:
課税所得1,200万円(配当所得400万円、その他所得800万円)の場合
[1,000万円超の部分については5%控除]
1,200万円(課税所得)- 1,000万円 = 200万円
200万円 × 5% = 10万円 … ①

[1,000万円以下の部分については10%控除]
400万円 - 200万円 = 200万円
200万円 × 10% = 20万円 … ②

[所得から控除できる金額]
① + ② = 10万円 + 20万円 = 30万円(配当控除)

確定申告が不要な少額配当所得

少額配当所得とは1銘柄あたりで1回に受け取る配当所得が5万円(年1回決算では10万円以下)の配当所得です。少額配当所得については20%が源泉徴収されるのみ確定申告が不要という制度があります。よって、所得税率が20%を超える会社の社長は役員報酬で受け取るよりも少額配当を活用したほうが節税になるのです さらに、少額配当所得は住民税についても課税されないことも押さえておきましょう。

配当金への課税

所得税 住民税
確定申告あり 総合課税 課税
確定申告なし 20%の源泉分離課税 非課税

配当控除、少額配当所得の組み合わせ

配当控除と少額配当所得を組み合わせることもできます。 申告不要の少額配当ですが、この際に20%が源泉徴収されていることは見落としがちです。例えば、役員報酬が年間300万円(のみ)で配当を2社から10万円ずつ受け取った場合を見てみましょう。(これ以外の収入はないと仮定します。)所得税は10%が課され、別途配当金へ2万円ずつ2社で計4万円が源泉徴収されますが、確定申告をすると配当控除によってこの4万円を還付請求することができます。なので、所得税率が10%の社長とその配偶者に少額配当所得がある場合には、多少の手間はあるものの、確定申告を行うことで税金を取り戻せるケースがありますので、覚えておきましょう。

※本記事では簡単のため、 復興特別所得税分の影響は除いた解説をしています。
きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。

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