契約者貸付を上手に活用する | vol.366

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契約者貸付であれば、簡単にお金を引き出せる


前回のブログでご紹介したのは、簿外資産である保険を解約して会社の資金繰りなどに利用するというスキームでしたが、実際に解約してしまうと、保険の保障はすべてなくなってしまいます。
しかし、保険には、解約することなしにお金を引き出す機能もあります。それが「契約者貸付」 です。
契約者貸付も、会社で急に資金が必要になったときによく利用されています。

契約者貸付とは、保険の契約者が何らかの理由で資金が必要になったとき、保険会社からお金を借りられるという制度です。
終身保険や養老保険、長期定期保険など、貯蓄性が高く解約返戻金がある種類の保険に限定されます。

借りられる金額は、「その時点で保険会社に貯まっている解約返戻金の90%」と設定されている場合が一般的ですが、たまに80%と設定している保険会社もあります。
なお、貸付金には保険会社所定の利息が2~3%程度かかりますが、ノンバンクのローン金利に比べれば低金利となっています。

たとえば、「支払った保険料の累計が1億円で、今解約したら1億円戻ってくる」というケースを想定します。
この場合、保険を解約せずに契約者貸付を利用すると、1億円の90%にあたる9,000万円を保険会社から借りることができます。
なお、この9,000万円は一度に全額を借りることもできれば、複数回にわたって借りることもできます。
保険会社からお金を借りる場合、返済義務はありません。
借りるうえで審査もなければ、担保や保証人も必要ありません。
契約している保険の解約返戻金を担保に、自分が支払った保険料の範囲内で借りいれをしているだけなので、借りたままであっても保険会社から返済を求められることはないのです。
契約者貸付を利用するケースはかなり多く行われているものの、実際に借りたお金を返済したというケースは意外と少ないのです。



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契約者貸付であれば税金の心配がない


契約者貸付は、簡単な書類手続きだけで、スムーズに利用することができます。
申し込みから貸付が行われるまでの期間は短く、1週間ほどで借入することができます。
契約者貸付は保険契約者の当然の権利であり、保険会社によっては、契約者に対してキャッシュカードを発行し、契約者がそのカードを使って保険会社や銀行やコンビニATMで預貯金を引き出すように便利にお金を借りられる、といったサービスを提供しているところもあります。
その使い勝手のよさから、いざというときに利用する「会社の財布」となっているケースも少なくありません。

さらに、契約者貸付を利用して借りたお金については、保険を解約したときの解約返戻金とは異なり、利益額を増やすことはないため、税金は発生しません。
契約者貸付はあくまで「借金」なので、マイカーローンの借入金に税金がかからないのと同じように、契約者貸付の借り入れは、借入金として経理処理を行います。
つまり、損益とは関係なしの状態で、保険の保障機能はそのままで手元に資金が入ってくるということになります。

一方、保険を解約した場合には、解約返戻金の全部または一部が雑収入として計上されるため、税金が大きく増えてしまうケースがあります。
それでも、税金の対象外とはいえ、契約者貸付では解約返戻金の90%しか引き出せないので、 10%分を手元に戻すことはできません。
しかし、保険を解約する場合と契約者貸付を行う場合とを比べると、利益を上乗せしてしまう前者に課せられる税金のほうが、結果として高くつく場合が多く、「保険を解約しないで契約者貸付でお金を借りたほうがよかった」というケースが多いのです。

(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。
このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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