不動産、高値売却のコツー ローンが出る物件|vol.439

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買い手がローンを受けやすい物件にしよう

不動産を購入する際に全額現金で買う人はそうはいませんよね。ほどんどの買い手が頭金を用意して、残りの金額を金融機関から借り入れるのが通常です。そのためには、金融機関が安心してお金を貸せる物件である必要があります。しかし、実際には金融機関が融資をしにくいような物件が数多くあることをご存知でしたか?

例えば、Aさんが保有するビルはとても古いため、建物の設計書や敷地の測量図面が見つからなくなってしまっていました。先述の検査済証も紛失して散々な状態です。それであれば「古いビルを取り壊して更地として売却した方がローンも付けやすく不動産の価値も上がりますよ」とアドバイスしたのですが、コストと手間を掛けるのが惜しいのか、聞き入れてもらえませんでした。

結局、このビルは市場価格よりも安い値段で売却されてしまったのです。

過去に例のない金余りのため、今はどの金融機関でも融資先を探していますが、融資を判断する銀行員はサラリーマンです。サラリーマンであれば、必要な書類や測量結果、図面がないことを嫌うことは明瞭ですよね。その不動産を担保として融資をすることを社内で説明しなければならないからです。よって、買い手にローンがつきやすいような環境を整えることが高額売却への近道なのです。

不動産の価値を最大化しよう

不動産に何一つ同じものがない以上、物件の価格は買い手が納得する限りいくらであってもいいのです。買い手が物件に価値があると思えば正当な金額を払うでしょうし、逆に価値がないと思われてしまえば値引きしても買ってはもらえないかもしれません。では、不動産の価値を高める条件にはどのようなものがあるのでしょうか?

一昔前は、将来に売却益を見込めることが一番の条件でした。人口が増えて不動産価格が右肩上がりの時代には、立地や駅近などの条件よければ土地の値段がどんどん上がっていったのです。しかし、特に地方の人口減少が激しい現代ではそのように簡単にはいきません。多くの買い手が投資目的であることを考えると、毎月安定した収入を見込めることが大切な点になります。

ここでは、建物の「容積率」を紹介します。「容積率」とは、土地面積に対して、建物の床面積の上限として定められる数字のことで、地域ごとに決まっています。例えば、敷地が100㎡で容積率が300%であれば、床面積300㎡までの建物を建てることができるというわけです。よって、容積率により建物の階数や利用効率が決まってきます。階数が多ければ部屋数も増やすことができて、より多くの賃料収入が期待できますよね。容積率はその地域によって決まるだけでなく、敷地の前の道路の幅(12m以内の場合)などによっても制限を受けるので、事前に確認が必要です。道路の幅によって容積率の制限を受けている場合には、逆転の発想で、幅12mの道路に接している隣地とまとめてしまうという裏ワザもあるのです。土地がまとまり、容積率が上がれば建物に自由度が増すため、不動産の価値が上がることは言うまでもありません。不動産にはこのような「陣取りゲーム」の要素があるため、覚えておきましょう。

更地か?中古ビルか?

所有している建物が古いときには、取り壊して更地として売るか、中古物件としてそのまま売るか迷うことがあります。ある中古ビルは更地にすると6000万円ほどの値段がつきそうでした。住宅エリアにあるものの、分譲マンションを建てるには狭く、戸建て用の土地として募集するしかなさそうです。新築の戸建てで販売するのであれば、取り壊し費用や測量が発生し、また家を建てている期間も収益を生まない不動産となってしまいます。案の定、コストも考えると販売額は1億円の見積もりとなり、この価格では買いる人も限られてしまい、売れるまでに相当の時間が掛かってしまうという話になりました。

私であれば、この中古ビルはリフォームしてテナントビルとして貸し出します。ビルの構造によっては1階を店舗用、2階以上は住宅用と分けることもできます。ここで大切なことはテナントを入れて家賃収入が入るようにしておくことです。こうして家賃収入を確保しておくと、価格を決める尺度に利回りが加わるのです。表面利回りを7%に設定しても、この中古ビルの評価額は1億円を上回るとのこと。

更地にして5000万円で売るよりも、リフォームのコストが多少かかったとしても中古ビルとして1億円で売れるのであれば御の字ですよね。また、収益不動産の場合は相続の際に評価が下がることがありますので節税対策としての買い手もあらわれやすくなります。

 

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