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経営計画は「貸借対照表」をベースに作成する
売上が伸びているのに、資金繰りが苦しくなってしまうのは、決算書のうち、「損益計算書 (P/L)」の数字ばかり気にして、「貸借対照表(B/S)」の数字を見ていないからです。
損益計算書とは?
損益計算書とは、P/Lとも呼ばれます。(P/L Profit and Loss Statementの略)
1年間の業績をまとめて「いくら儲かったか」「いくら損をしたか」を知るための決算書。
今期どれだけ稼いで、そのためにどれくらい経費を使って、利益(損失)がいくら残っているかがわかる書類ということになります。
貸借対照表とは?
貸借対照表とは、B/Sとも呼ばれます。(B/S Balance Sheetの略)
決算日現在の「会社の財産状況」をまとめた表。
資本金や利益剰余金(純資産)がいくらあって、いくらお金を借りていて(負債)、どのように運用されているか(資産)が分かる書類となっています。
バランスシート思考を持たない社長は必ず失敗する
「売上を伸ばせば会社は成長する」と考えている社長が多くいます。
よって、P/Lの数字(売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益など) ばかり追いかけて考える。
ところが、利益が出たからといって、手元にお金が残るとは限りません。
「50円」で仕入れたものを「100円」で売れば、「50円」儲かります。
しかし、「50円」儲かっても、手元にお金が入るまでに時間を要すれば、「売掛金」になっています。B/Sの資産の部に計上されます。現金ではないので、手元にお金はありません。
お金がなければ、従業員への給料が払えないし、仕入れ先への支払いや経費の支払いもできません。銀行への返済ももちろんできません。
P/Lの数字が黒字であったとしても、資金繰りがうまくいかなければ、会社は倒産してしまいます。
いわゆる黒字倒産と呼ばれるものです。
上記の例でお金が足りなくなるのは、50円の粗利で仕入れた買掛金はすぐに支払い、売上の100円は売掛金になっている(数カ月後の入金)からです。
また、回収サイトが長くなることも資金繰りを圧迫する要因となります。
売掛金が増えると現金化に時間がかかるため、売上は計上されているのに、なかなかお金が入ってきません。
こういう事業は早めに撤退すること検討する必要があります。
P/L上には、「現金」に関する勘定科目はひとつもないので、「手元にお金がいくらあるのか」を把握するには、B/Sを見なければなりません。
売上があった場合、売掛金になるのか現金ですぐ入金になるのか。
仕入をしたならば、現金で支払ったのか、それとも買掛金なのか。
B/Sをしっかり理解し、「お金がどのように動くか」を把握していれば、資金繰りを管理できます。
銀行が嫌う決算書・喜ぶ決算書
ここで、銀行が嫌う決算書と銀行が喜ぶ決算書をご紹介したいと思います。
銀行が嫌う決算書の例とは?
銀行が嫌う決算書の例① 仮勘定が多い
仮勘定とは、帳簿に記録すべき取引は発生したが、使用すべき勘定科目やその金額が未確定のために一時的に使用される勘定のこと。
前渡金・立替金・未収入金・仮払金などが多いと、会社の与信評価が下がります。
銀行が嫌う決算書の例② 社長貸付金(役員貸付金)がある
社長貸付金とは、読んで字のごとく、社長・役員が法人からお金を借りること。
銀行から不良債権とみなされる可能性があるので、会社の与信評価が下がります。
社長が銀行からお金を借りて返済するのが健全です。
担保となる個人資産がないときは、会社が保証となる役員会議事録をつけて借入する方法もあります。
銀行が喜ぶ決算書の例とは?
資産の部の勘定科目が少ない決算書です。
未収入金や未払金、仮払といった「未」や「仮」のつく勘定科目が少ない決算書は与信評価を上げることになります。
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急成長している会社を銀行が警戒するのはなぜか
銀行は「急激に伸びている会社、伸びすぎている会社」を警戒します。
「怪しいそう」といった理由で警戒しているのでは、ありませんよ。
なぜ警戒するのかというと、急激に伸びている会社は資金ショートする懸念があるからなのです。
まだ信用力がそれほど高くないのに、3年連続125%以上の増収増益になると資金繰りが追いつかなくなりがちです。
その結果、手許現金が不足し、資金ショートする懸念があるからです。
増収増益を続けているのに「銀行が融資に積極的でない」としたら、「資金繰りを懸念している」ことが考えられます。
その場合は、一度客観的に事業の見直しをかけて、事業構造を改善する必要があります。
きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。