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みなさんは、トランクルーム・レンタル収納の歴史をご存知でしょうか。
日本語の書籍ではあまり触れられていないので、英語の文献を紐解きながら、紹介してみたいと思います。
レンタル収納の歴史 草創期
レンタル収納の起源は17世紀末の西ヨーロッパにまでさかのぼることが出来ます。
当時、未知の地を探しに海に出ようとする船乗りたちは、持ち物を預けて置く場所を必要としました。
ロンドンでは、議会がこれらの持ち物を保管する倉庫の建築を承認しました。
現代のレンタル収納の時代は1960年代のアメリカ合衆国テキサス州で始まりました。
17世紀末に保管場所が必要だったのは船乗りたちでしたが、1960年台のアメリカで保管場所を必要としていたのは、出稼ぎ(渡り)労働者でした。
テキサス湾岸沿いののオフショアの石油掘削のために出港して出稼ぎに出ていたのです。
彼ら出稼ぎ労働者が収納スペースを必要としており、レンタル収納のための施設である「ミニ倉庫 (mini-storage)」は、ほどなく価値を見出され、1970年代までには、全米に広がり始めました。
ランドバンキング目当てだった当初のトランクルーム・レンタル収納投資
当時、ほとんどのオーナー達は彼らのレンタル収納への投資を良い「ランドバンキング」の機会と考えていました。
「ランドバンキング」とは、英語で土地を意味する”Land”と預託を意味する”Banking”を組み合わせた造語です。
手元の現金を現金のまま寝かせておいても大して価値は増えないので、土地を取得して、将来への利用のために保持することを指します。現金を土地という銀行に預けるようなイメージですね。
ランドバンキングの投資で肝要な点は、都市化が価値を増大させる前にその土地を購入するということです。
(日本であればこれから都市開発が進みそうなところや新駅開発、幹線道路開発、ショッピングセンター開発が進んで居住人口が増加しそうな地域ですね。人口減少時代の現代であっても日本各地にそういう土地があります。)
これらのオーナーは土地の良い使い道が見つかるまでレンタル収納ビジネスを運営するつもりでした。
なぜならランドバンキング目的で土地を買っているので、インフレや人口増加に伴って地価が上がったら売却して利益を得ようと考えていたからです。
しかし、時がたつにつれ、多くのオーナーがレンタル収納としての利用が最適であると気付きました。レンタル収納の収益性の高さと安定性を認識したからです。
市場規模と市場の性質
今日、レンタル収納ビジネスは活況です。セルストレージ協会(SSA)の会長及びCEOのMichael T. Scanlon, Jr.によると、2005年の時点で、アメリカ国内には44,000以上のレンタル収納施設があります。
専門家達はこれらの施設が2004年に150億ドル※近くの収益を生み出したということで一致しています。
※1ドル100円換算で1兆5000億円。ちなみに2015年は約3兆円~4兆円に拡大しています。
これらの収益の約95パーセントは賃料でした。残りの5パーセントは各種製品とサービスの販売からでした。
市場全体としては成功しているにもかかわらず、業界は比較的洗練さを欠き、断片化されています。
今日、レンタル収納施設の約75%は小規模で独立した、家族経営の運営者によって所有されています。
米国は売り上げ規模でみて日本(500億円)の約60~80倍の規模であり、かなり成熟した市場であるといえます。成長途上である日本の40年から50年先を言っているといえます。
この規模の業界では通常比較的大きな企業が合併し、結果小規模なプレイヤーを駆逐する傾向があります。
レンタル収納業界でも経営統合は起こっています。
問題はほとんどのオーナーがビジネスから多くのキャッシュフローが得られるため、ビジネスを売却したがらないことです。そのため、家族経営規模の小規模事業者が多く残っています。
結果、最大手のパブリックストレージ社でさえ、マーケットのシェアはレンタル可能な広さの6%にとどまります。トップの50社はあわせて約23.8パーセントを押さえています。 (トップのセルフトレージの運営者のリストに関しては別の記事を参照してください。)
脇役の「黒いヒツジ」が最強投資へ
英語には「黒いヒツジ」(black sheep)という表現があります。
どの群れにも黒い羊がいるということわざ(There are black sheet in every flock.)ということわざに由来した表現です。
白い羊なら白い羊毛以外に染め上げることができるため、いろいろな色の羊毛にすることができますよね。
ところが黒い羊では黒い羊毛しかとることができません。
ここから転じて、black sheepは「厄介者」「脇役」の意味で使われています。
じつはつい最近まで、レンタル収納は投資商品の世界における「黒いヒツジ」と見られていました。
ウォールストリートの機関投資家たちは、は多くの理由からこの業界に投資してきませんでした。
理由を問うといろいろ出てきたものです。たとえば、以下のような理由が挙げられていました。
- きちんと組織された業界団体がない
- 業界に関する詳しい情報がない
- グラマラスでないイメージ
- ストレージに関するネガティブな神話
筆者はサラリーマン時代、ウォールストリートの金融機関(投資銀行)であるゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)やいまはなきリーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)に在籍し、日本の機関投資家や銀行などの大手金融法人向けに投資商品を組成していました。
たしかに、米国市場が十分に成熟し認知度が高まっていると認識されていたはずの2000年代初頭でもあまり積極的に投資推奨していなかったように記憶しています。
すくなくとも米国内の大口投資家向けでさばききれないおこぼれ投資案件は日本の機関投資家向けに流れてきたものですが、耳にした記憶がほとんどありません。
不動産投資家はウォールストリートに続きました。彼らは、郊外や工業団地周辺の古いストレージ施設より、町の中心の自慢できる新築の建物、オフィスビルや居住用不動産(マンション、アパートメント)への投資を好みました。
では、何が起こったのでしょう?どのようにレンタル収納への投資が黒い羊から最強投資と考えられるようになったのでしょうか?
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略して満研(まんけん)。大学時代の漫才研究会みたいな略称ですが、仕事はまじめに楽しく投資家の立場に立って、がモットーです。
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