「自動振替貸付」通称「自振」を活用する | vol.367

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解約返戻金の枠内であれば、新たな保険料を支払わずに保障の継続が可能


前回のブログでは、「契約者貸付」についてご紹介しましたが、保険会社からお金を借りる方法はもう一つあります。
それは、「自動振替貸付」、通称「自振」と呼ばれる貸付を利用する方法です。

自振とは、契約者が保険料を支払わなかった場合、契約が失効とならないように、解約払戻金の範囲内で保険料を自動的に保険会社が立て替え、契約を有効に継続させる方法のことをいいます。
ただし、解約払戻金がない保険の場合や、保険種類や保険料払込年数が短い場合は、自動振替貸付が適用できないことがあります。
そして、借り入れしたお金には、契約者貸付と同様、保険会社所定の利息が発生します。

保険の種類としては、解約返戻金が出るタイプで、逓増定期保険などのように解約返戻金が期間の経過につれて増えていくものがいいでしょう。
低解約返戻金型などのように、解約返戻率が「2年目で5%」などと極端に低い商品や、期間の経過とともに解約返戻金が下がっていくようなタイプの商品は、 自振の商品特性上、立て替えてもらえなくなることがあるので向いていません。

自振と契約者貸付とは似ていますが、契約者貸付が借りたお金を自由に使えるのに対して、自振では借りたお金を保険料以外の用途には使うことができません。
さらに、貸付金の原資についても異なっています。
契約者貸付と自振、それぞれの貸付金原資の考え方を簡単に示すと次のようになります。
・契約者貸付:「解約返戻金」を原資に、保険会社所定の範囲内で貸し付ける
・自振:「保険会社が保険料分貸し付けた後の解約返戻金」を原資に、所定の範囲内で貸し付ける

契約者貸付の場合、現在の解約返戻金が5,000万円であれば、その90%に相当する4,500万円までお金を借りることが可能です。
一方、自振の場合は、3年目の解約返戻金が1,000万円の場合、1,000万円までの範囲であれば、保険料を立て替えてもらうことが可能です。
さらに、「4年目も保険料を支払えない」という場合、 4年目の解約返戻金に次の保険料を立て替えるだけの解約返戻金が残っていれば、再び自振で立て替えられます。
つまり、 解約返戻金が徐々に増えていけば、1年目の保険料さえ支払っておくことで、自振を使い続けることによりその後保険料を支払うことなく、保険契約を解約することなく保障機能を維持することができるわけです。

当然ながら、立て替えてもらった保険料を返済しなければ、その分はいずれ死亡保険金や解約返戻金から差し引かれますが、資金繰りが厳しい場合でも、保険料の負担なしに保障を維持できることは大きなメリットです。
また、自振を利用して保険会社からお金を借りて支払っている場合、 その保険料は損金として計上することが可能です。
資金繰りが苦しく自社のお金で保険料を支払うことができなくても、 1年目の保険料さえ支払っておけば、解約返戻金の枠内であれば、毎年のように自振を利用してお金を借り、会社の資金を使うことなく損金として計上できるので、利益を圧縮することができるといったタックスメリットを享受することができます。
利益は上がっていてもキャッシュフローが不足している会社にとって、とても便利な仕組みです。

また、「自分は健康に不安がある」という場合にも、新たな保険料負担が発生しない自振を選択することがあります。
万が一の事態があったときには保険金が支払われるので、借入金は相殺され、残りの死亡保険金は受取人に支払われます。
なお、保険の契約をする段階で、自振を利用するかどうかを選択することができる場合もあります。
一方で、保険会社によっては、後で自振を利用することができないケースもあるので、契約時に内容を十分に確認する必要があります。

(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。
このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。



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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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