開業医の金融資産を4つにグループ分けして整理しよう。その5|vol.434

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

一括払い型資産(401K、生命保険、海外資産)

次にご案内するのが、収入を「一括払い」で受け取ることができる、一括払い型の投資商品です。まとまって支払われる退職金などをイメージしてもよいかもしれません。ここでは、5年間や10年間などの決まった期間に配当のような形で受け取れる商品も扱います。

人生100年時代などの言葉が生まれ、引退後の人生は長いといえますが、まずは元気でやりたいことも多い最初の10年間の必要資金をしっかりと押さえておきたいものです。この期間のために積み立てておくものが一括払い型資産です。

たとえば1,000万円の余裕資金があるとすると、預貯金としてリターンがない形で置いておくよりも、生命保険や海外資産に投資しておくことでリスクに見合うリターンを期待することができます。価格変動などのリスクは当然ありますが、10年~20年の長期投資で考えれば、分散効果などからリターンは平準化していくのが一般的です。ここでも、現役時代の収入を老後に回していくという発想が大切です。

毎月少しずつ積み立てていく商品もあれば、一定の資金をまとめて投資してリターンを狙う商品もあります。前者であれば確定拠出型年金(401K)がお勧めです。401Kプランでは国民年金基金と合わせて月額で68,000円までが確定申告の際に控除の対象となることがポイントです。

過去にも触れた通り、開業医は高額納税者であることが多いため、401Kのように運用と節税を同時に達成することで一石二鳥となります。最後に、一括払い型資産の中でおさえておくものとして、海外の金融商品があります。外貨建ての商品がほとんどのため、リスクは増えますが商品のバリエーションは各段に増えますので、専門家と相談しながら検討することをお勧めします。

開業医にとって大きな武器となる一括払い型資産

先ほどお伝えした通り、一括払い型資産には節税と運用の一石二鳥を狙うことができる、開業医にとって大きな武器となる資産となります。一括払い型資産には多数の商品がありますが、それぞれのリスクとリターンをよく理解し、ご自身にあったものを選ぶことが大切です。ここでは、幾つかの選択肢について商品特性やリスクを細かく見ていきましょう。

一括払い型資産①:確定拠出型年金(401K)

受け取る金額が決まっている確定給付年金とは異なり、401Kは年金を受け取る本人が運用をする公的年金になります。

掛け金を支払う人が商品を選び、その運用結果によって将来の年金が変わるのです。掛け金は決まっているため、確定拠出型年金という名前がついています。

401Kは企業型と個人型に分かれ、毎回の支払額は非課税となるため、どちらの場合でも節税効果を得ることができます。

開業医が個人事業主であれば、小規模企業共済等掛金控除の対象にもなるというメリットもあるのです。

企業型年金DC

企業が掛け金を拠出し、従業員が運用する制度です。掛け金の上限は月額55,000円または27,500円で、企業の掛け金に従業員が上乗せすることができるマッチング拠出制度も設けられています。

個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ)

個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ)は個人で掛け金を拠出して運用する制度です。自営業者、公務員、専業主婦などが加入することができます。掛け金上限は自営業者の場合で68,000円、専業主婦では23,000円です。iDeCoの掛け金は所得控除の対象となりますから、年間で816,000円まで控除できるメリットがあるのです。運用は商品の中から自分で選ばなければなりません。

積立てを続け、受け取る際に一時金で受け取る場合には退職所得控除、年金としては公的年金控除のメリットをそれぞれ得ることができます。

一括払い型資産②:生命保険

一括払い型資産の2つ目は生命保険です。生命保険にも非常にたくさんの商品がありますが、例えば積立利率変動型終身保険は市場金利の変化に合わせて積立利率が変動する商品があります。一般的な終身保険では加入時の予定利率に応じて積立利率も決まってしまうのですが、この商品では積立利率が変動するため、インフレに強いという特徴があります。払込み期間中にインフレが起きると金利が上がるため、その分だけ保険金・解約返戻金が増えるというわけです。日本では低金利が続いており、こうした商品を運用することが難しくなってしまったため、現在は米ドルや豪ドルなどの外貨建ての商品がほとんどという状況です。保険商品は事前解約すると元本割れするケースもあるので、専門家に相談しながら商品を選ぶのがよいのではないでしょうか。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。

ポータルサイトにあなたのトランクルームを掲載しませんか?
1ブランド(1運営会社、1個人事業主)につき3店舗までは無料!
トランクルーム・レンタル収納検索|MYKURA.COM

運営:満室経営研究会 (運営 日本公共収納(株))
略して満研(まんけん)。
「無料会員登録」画面からメールアドレスを登録していただきますと、翌日以降物件速報が届くようになります。