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社長の無知は、会社をリスクに晒すことになる
前回のブログでもご紹介したとおり、中小企業にとって、銀行は敵でも味方でもなく、「ビジネスパートナー」です。
つまり、銀行と中小企業は、本来、対等の関係であるべきです。
ところが・・・現実はどうでしょうか?
社長が無知であれば、銀行の言いなりになることが多く、社長が無知のままでは、対等になりません。
命の次に大切なお金のことの問題であるにも関わらず、多くの会社の社長は、勉強が足りていないように感じます。
社長の無知が会社をリスクにさらしてしまった実例
例えば、私の知人の経営者からこんな話を聞いたことがあります。
その話を以下にご紹介します。
今から20年以上も前、定期預金5,000万を担保にして、従業員の賞与資金を借りたそうです。
そのとき知人は、抵当権(お金を借りるときの担保)と同じ感覚で定期預金を差し出しました。返済が終わればその定期預金は戻ってくると思っていたのです。
ところが、実際は、その保証は「包括根保証(ほうかつねほしょう)」になっていました。
銀行融資における「根保証」とは?
根保証(ねほしょう)とは、保証の枠(極度額と保証期間)があり、その範囲内であれば保証人は責任を負わなければならない契約です。
スポットで融資を受けるのに比べて手間が省けますが、保証する期間が契約時に決められているため、その期間内はたとえ一度完済しても、契約で定めた範囲内であれば保証をすることになります。
完済となれば保証が外れる連帯保証とは異なり、完済しても保証人であり続けるデメリットがあります。
例えば、500万円の極度額で、債務者が200万円借りたとします。
その200万円分についてはもちろん、その後300万円を借りた場合にも、保証責任を負わなければなりません。
銀行融資における「包括根保証」とは?
包括根保証(ほうかつねほしょう)とは、保証の期限や極度額を定めていない根保証のことです。そのため、極端に言えば一生涯保証し続けなければなりません。
保証人が過大な責任を負うリスクや、経営者の新たな事業展開や再起を阻害するとの指摘がなされ、2005年4月1日、民法の改正に伴い、根保証に関する規定が改められました。
保証人が個人の場合は、「極度額」「期間(最長5年、定めがないときは3年間)」を定めないと、その根保証は無効となりました。
20年以上も前ですが、知人は、自分の無知さ加減にあきれてしまったそうです。
「外してほしい」とお願いしても、銀行は「駄目だ」の一点張り。
そこで知人は、「借りている金額と同額」を普通預金に預入しました。
理由は返済能力があることを証明するためです。
結果的には、なんとか解除してもらうことができましたが、契約書をよく見ていなかった知人が甘かったのです。
銀行から、「こういう書類を提出してください」と要求されれば、多くの社長は借りたい一心で言いなりになってしまいます。
そして銀行に言われたとおり、担保まで差し出してしまうのです。
自分の会社の債務者区分を自覚していますか?
例えば、銀行における債務者区分が正常先の会社が、自社の本社に根抵当が設定されていることも知らずに、「1%の超低利で1,000万円融資を受けられた」と言って喜んでいたとすれば、この社長は無知です。
なぜなら、正常先であれば、1,000万円借入するぐらいでは、基本的に担保も個人保証もいらないはずです。
にもかかわらず、根抵当がつけられたのは、社長が無知だからです。
その後、その知人は、自分なりに銀行との付き合い方を一生懸命勉強しました。
銀行から求められた書類を言うとおりに提出するのではなくて、提出する前に一度考えるようになったのです。
正常先の社長さん!考えずに資金繰り表を提出していませんか?
会社のお金が正常に回っていた時に資金繰り表の提出を求められて、試しに提出せずに放置しておいたことがあるそうです。
放置していたら、どうなったと思いますか?
資金繰り表を提出しなくても、融資を受けることができたそうです。
銀行は、資金繰り表を提出しなかった知人の会社に対して、「キャッシュフローに余裕があるんだろう。もし切迫していたら、言うことを聞いたはずだ」と判断したのでしょう。
キャッシュフローに余裕がある、ということは「返済財源がある」ということです。
銀行にとって一番大切なことは、「お金を貸すこと」以上に、「貸したお金をきちんと返してもらうこと」です。
よって、資金繰り表を提出しなくても、融資してもらえたのでしょう。
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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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