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前回は、相続税の払い過ぎの大きな原因と節税の秘策は土地評価方法にあるということについて紹介しましたが、今回もその続きをご紹介します。
なぜ相続税を多く払い過ぎるかというと、相続税評価額を適正価格より高く申告してしまうからです。
前回のブログでも書きましたが、現預金や有価証券、自社株式の評価は計算式が決まっているため、評価額は大きく変わるものではありません。
大きく変わるのは不動産、なかでも土地です。
相続税の払い過ぎは土地が原因であることがほとんど
相続した土地を全部売却して現金化するとしたら、その金額がいわゆる時価=評価額となりますから、相続税を多く支払うということはありません。
しかし、相続した土地でこれから先も住み続けようと思えば、すぐに売却するわけにもいきません。
また、相続税の申告期限は、相続の発生日の翌日から10ヵ月以内となっています。
相続税を払うために土地を売却するとなると、売り急いでしまうために、買い手に足元を見られて安く買いたたかれてしまいます。
そうなると、型にはまった評価方法のとおりに土地の評価額を算出することになるため、このときに適正価格より高く評価してしまう問題が起こるのです。
そのため、急いで売却することは避けたいものです。
不動産鑑定の世界や宅地建物取引士の世界ではよく言われるものです。「売り急ぎは安く買えるチャンス」と。
(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。
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土地のマイナス補正要件とは
土地の相続税評価額は、「路線価 ×土地の面積」という計算式で算出します。
面積100㎡の土地の路線価が1㎡10万円であるとしたら、相続税評価額は10万円 ×100㎡=1,000万円となります。
ただし、この評価額は使い勝手の良い正方形をした土地の場合です。
土地には、正方形、長方形、三角形、五角形、L字形、旗竿型など、さまざまな形があります。
そのなかでもっとも理想的なのは、広からず、狭からず、適度な大きさで、正方形に近い土地です。
このような土地は、実際の売買取引で高く売れるため、それ以外の形の土地より高値がつくのです。
このように適度な大きさで正方形に近い土地は、「路線価 ×土地の面積」で計算できますが、それ以外は、土地の条件に応じて路線価がマイナス補正されます。
マイナス補正される割合を補正率といい、相続税 評価額は「(路線価×補正率)×土地の面積」で計算されます。
たとえば、間口の狭い土地は、間口の幅に応じて補正率が決まっています。
これを間口狭小補正といい、普通住宅地区の場合、補正率は0.97、0.94、0.90と3段階の減額があり、最大で10%減額されます。
補正は間口のほかにも、奥行の長さによる奥行価格補正、正方形または長方形ではない土地による不整形地補正、がけ地にある宅地によるがけ地補正、敷地が広い広大地補正などがあります。
こうした補正については、税理士も当然机上の上では、分かっています。
ところが、いざ実査すると不動産のプロではないため見落としてしまうことがあるのです。
土地の評価では、標準の土地の評価額から土地の形状や面積によって補正していくのですが、マイナス補正ポイントを見逃して、そのまま申告すると、結果として相続税を多く払い過ぎてしまうことになるのです。
なお、減額できるのは土地の形状や面積だけにかぎりません。
無道路地であったり、土地の上を高圧電線が通っている、土地の隣が墓地、またはパチンコ店などの場合も、減額の対象になります。
土地の評価は不動産、特にも土地に詳しくなければできません。
プロの不動産鑑定士や相続税に詳しい税理士は、現地をくまなく調査し、その土地の減額要因を見つけようとします。
一般的に税務のプロではあっても、土地について詳しい知識を持っている税理士はそう多くありません。
むしろ、両方に精通している税理士は稀有な存在です。
したがって、多くの場合、マイナス補正できる要件を見逃してそのまま評価されてしまうことがあるのです。
その結果、相続税を払い過ぎることにつながります。
相続税の申告は税理士に任せたから安心ではなく、専門の税理士に任せて、 はじめて安心できるのです。
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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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