開業医の将来の収入と支出を「キャッシュフロー表」にまとめてみよう|vol.419

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① 開業医の収入のまとめ

前回は開業医が安心してリタイアできるようにするために必要な収入の話をさせて頂きました。今回は具体的なアクションとしてキャッシュフロー表を作り将来の収入・支出を「見える化」することでリタイア後の生活をイメージできるようにする方法をご紹介したいと思います。

早速ですが、まずは開業医としての事業からの収入・支出を試算して、表にしましょう。縦軸に収入・支出の内訳を項目別に並べます。横軸は年度と自分の年齢を記載しておきます。これからの数年分の事業収入は予想しやすいと思いますが、今のペースを続けることは体力的に厳しいと感じたら、将来の収入は低めに見積もっておきます。または医師を雇ってしまうことで事業収入を増やしたり維持したりする選択肢もあります。子供が将来的に後を継いでくれるのであれば、まずは勤務医の形で雇ってしまい、ゆっくり育てるという形もあります。色々なケースを想定できると思いますが、まずはざっくりとして数字で表を埋めていきましょう。

この表では、ご家族についても年齢や収入・支出を押さえておくとよいでしょう。子供の教育費や結婚などの、時期やイベントごとのキャッシュフローも記載することで精度が上がっていきます。表を作成している時点では計画であっても、現実に近ければ近いほど、資産形成のシミュレーションに役立つため、なるべく詳細な数字まで詰めるとよいでしょう。

事業収入の欄には、現在の収入が続くと仮定した上で夫婦の収入を記入しておきます。奥様が外で働いていたり、医院経営から収入を得ている場合はもちろんキャッシュフロー表に記載しますが、投資商品からの金利や配当収入が得られる場合にはこれも記入し、漏れがないようにしておくことが重要です。

引退後の収入は、個人事業主であれば国民年金・国民年金基金などの公的年金の受給開始から書いておきましょう。公的年金以外にも医師年金、歯科医師国民年金基金、小規模企業決済など、今まで積み立ててきた資産があるでしょうから、この金額も考慮にいれます。また、現在の公的年金の制度は維持することが難しいと予想されていますので、受給開始が先になるようであれば、保守的に半額などで見積もっておくと余裕のあるシミュレーションができるでしょう。

このように表にまとめることによって、今後の収入の概要をつかんでおくことができます。世の中では「年収」として一括りにされてしまうことが多いですが、年収と手取り収入は税金や社会保険料の金額によって当然異なり、これらの金額を差し引いた数字が可処分所得となるのです。簡単にまとめると、開業医の可処分所得は以下の計算になります。

法人として経営している場合

年収 - (社会保険料 + 所得税 ∔ 住民税)

個人事業主の場合

年収 - (社会保険料 + 所得税 ∔ 住民税)+ (減価償却費+青色申告控除)

これらの数字は確定申告書や源泉徴収票を見ればすぐにわかりますので、税理士に任せきりにせずに税務署に提出する前に一度目を通しておくと、自分で使うことができるお金を把握することができ、キャッシュフロー表に記載する将来設計に役立ちます。 これに追加して、公的・個人年金や退職金などの今までの努力で積み立ててきた将来の収入もカバーしておく必要があります。分かる範囲や予想の金額でも構わないので、以下の項目をキャッシュフロー表に記入しておきます。

  • 公的年金
  • 確定拠出年金(401K)
  • 医師年金・歯科医師国民年金
  • 生命保険(貯蓄型)や個人年金
  • 株式・投資有価証券からの金利・配当収入
  • 不動産収入



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② 開業医の支出のまとめ

ここまでくれば、残りの作業はあと半分です。収入があれば、当然支出も計算にいれなければなりませんので、予想される出費についてまとめていきましょう。まずは大まかに把握できる金額だけで構いません。

  • 生活費(食費、光熱費、交通費、通信費等)
  • 住居費用(ローン、管理費、家賃)
  • 教育費(高校、大学、塾の月謝等)
  • 保険料(生命保険)
  • 交際費(小遣いなど、家族全員分)
  • 税・社会保険関係(税金、社会保険料、国民年金等)
  • その他イベント(子供の結婚、家や自動車の購入など)

このような項目で将来の支出をキャッシュフロー表に埋めていくと、支出を次のように分類することができることに気がつきます。

・固定費・・・自分の努力ではコントロールが難しい出費

→ 生活費、社会保険料、住居費用、教育費など

・削減できる支出・・・一定の方法で改善できる出費

→ 税金、生命保険、借入れの金利など

・余剰金額・・・収入からすべての支出を引いた後に残る金額

固定費については、努力をしてもあまり変わらないか、あるいは削ってしまうと幸福度が下がってしまう可能性がありますので、この部分はそのままにしておきましょう。一方で削減できる支出については、努力次第で払い過ぎていたお金を取り戻すことができる可能性がありますので、税理士に相談したり専門の本で勉強することで改善を図ることができます。詳細は次回以降に説明したいと思いますが、この部分の改善を続けることによって余剰金額を増やし、将来設計の自由度を上げることがキャッシュフロー表を作ることによって達成できる目標となります。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。


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