開業医に必要な資産運用計画、運用や節税のために知っておきたい4段階|vol.417

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開業医の資産運用のためのゴール設定

将来の開業を目指す時期、開業したばかりの段階、数年間続けて拡大成長を目指す時期、後継ぎを探す段階など、開業医には様々な状況が想定されますが、すべてのステージに共通することとして、引退後のための資産運用や節税を始めておくことをお勧めします。

開業医の経営と資産運用は類似するところが多く、早く始めた方がリスクは少なくなるという特徴があります。

若いうちに開業した医師は、設備のメンテナンスは必要になるものの、医院経営を続けていくうちに借入の返済が進んでいき、50~60歳になっていれば返済が終わっているパターンがほとんどでしょう。一方で、50歳になってからの開業では引退したい年齢でも借金が残っていたり、体力がなくなって医院の拡大ができなくなったりと様々な心配が増えてきます。経験を積み重ねるという視点でも早くに開業した医師の方が成功する可能性は高まりそうです。

同様のことが資産運用についても言え、安定したリターンを上げるためには一定の時間が必要なので、早く始めた方がうまくいく確率が高くなります。若い頃から資産運用を勉強されている医師は株式、投資信託、不動産などに分散投資されて安定した収益を上げている方もいますが、一方で資産運用や税金対策に興味がない方は年金にすら加入されていない方もいるのです。医師としての仕事が忙しく、資産運用は家族に任せきりで預金だけが積み上がっていくようなことはないでしょうか。このような状況ですと引退間近になって、その後の生活にゆとりが失われてしまうということにもなりかねません。医師としての技術の習得や経験の積み重ねと同様に、資産運用も収益を上げるためにはある程度の時間が必要なので、小さな失敗から学んでいくということも含め、早めにスタートしておくことが大切です。

資産運用の大切さは分かったが、何から取り掛かってよいか分からないという方には、目標設定から始めることをお勧めしています。目標は家族構成、仕事への価値観、引退後の人生計画などの様々なことを念頭に置いて考える必要があります。夫婦で旅行をする生活を続けたい、田舎で農業をしてみたい、昔からの夢だった執筆をしてみたいなど、人生でやっておきたいことを軸に計画を立てていきます。こうした「やりたいこと」を軸に必要なお金や時間を計算しておき、そのためにどのくらいのペースで資産形成をしておけばよいかを理解することが第一歩となります。

開業医の資産運用に大切な4段階

資産運用の目標設定と言われても、専門家でもないし何からとりかかってよいか分からないという医師がほとんどではないでしょうか。開業したばかりであれば、本業の医療や病院経営に多くの時間をとられてしまっているでしょうし、ご自身の年齢や家族構成によっても目標は大きく変わってきてしまうからです。

こういった状況では、まずは医師としてのキャリアを
4つの段階に分け、それぞれの段階ごとに重要な点を押さえつつ計画を立てていきましょう。それでは、4つの段階について詳細にみていきます。

段階1.勤務医~開業医初期の資産運用計画(開業後5年まで)

ポイント:事業計画、資産運用計画の同時設定

開業時には医師は準備だけで忙しくなりますが、余った時間で事業計画と同じく資産運用計画も立ててしまいましょう。資産運用のゴールをまず作ってしまうことが最良です。開業後の収入計画から人生設計を行うと自然と資産運用も考慮に入ってくるものです。具体的な資産運用のゴールが設定できたら、あとはそこへ向かっていくのみです。開業と同じ時期に資産運用の計画をしっかり立てた人の中では、30歳で 開業 し、40歳台で既に総資産5億円、年間2000万円の不労所得を得てアーリーリタイアを可能にした方もいらっしゃいます。

段階2.開業中期の資産運用・節税(開業後5年~) 

ポイント:人生設計、資産運用計画の見直し、税理士・会計士を味方につける

医院を開業した年齢にもよりますが、30代から40代前半の医師はこの段階に分類されます。

医院経営一筋で医療に時間を捧げてきた開業医も、将来のために一度立ち止まって、資産運用計画について考えてみましょう。ここでもまずは資産運用のゴールを設定することが重要になります。ご自身のリタイア後の生活を想像しながら、年間でどのくらいの支出がありそうか、そのために必要な資産規模やリターンを確認しておきましょう。この時期には所得も増えてきますので、税理士や会計士など、資産運用や節税のための助言をしてくれる人が周りにいることが重要になってきます。また、資産形成にはコスト面も大切ですから、医療器具の仕入れを見直してみるのはいかがでしょうか。一つの業者だけとのつきあいだと仕入れ価格が割高になってしまうこともあるので、定期的に複数の業者から見積もりをとることも忘れないようにしましょう。

段階3.医院拡大~安定期の資産運用・節税(開業後10年~)

ポイント:会計士・税理士との連携、資産管理会社の検討、現金から不動産や投資商品へ

開業後10年もすると、仕事の習熟度はあがり、決まった患者さんが定期的に来院するようになり、収入が安定してきます。収入には余裕が出てくる頃でもありますので、自分でなくてもできることは外部委託してしまい、

医院経営以外の収入が得られるような資産運用(資産形成)や節税の手法などについて情報を集めて検討を重ねましょう。子供が将来的に医院を継いでくれそうであれば、医療法人を設立しスムーズな事業承継を計画しておくことは子供のためにもなります。貯蓄できる金額が増えてくるのがこの時期ですが、ここは無駄な支出を減らすなどの努力も欠かさないようにして、現金から不動産などのキャッシュフローを生み出す資産(金のなる木)に変えるおくことでゴール達成のため一歩を着実に進めておきましょう。資産管理会社を作っておくことで、支出を経費とすることで節税につながる場合もありますので、検討しましょう。

ここで、会計士や税理士とのつながりが役立ってきます。この段階では教育費、医院や家の修繕費などの将来必要な支出が予想しやすくなっていますので、すぐに必要になりそうな資金は現預金のままにしておくなど、キャッシュフローを把握した上での資産運用が大切になります。

段階4.医院承継~リタイア後の資産運用(開業後20年~)

ポイント: 医院承継、不動産や投資商品への収入源転換

開業医として医院経営の成功を収め、そろそろ跡継のことを真剣に考え始め、引退後も今の生活水準を保ちつつ幸せな人生をおくることを考えるのがこの時期です。医院からの収入から、不動産や投資商品などの運用資産からの収入に切り替えていくタイミングでもあります。運用資産からの収入は、リタイア後に必要な資金によって大きく変わってきます。 子供が跡継ぎとなる場合には、十分に大きくなっているでしょうし、承継のタイミングも含め検討しやすくなりますので、スムーズな引継ぎができるように入念に準備をしましょう。

開業医にとっての4つの段階を軸に資産運用を考える上で大切なことを解説してきましたが、最も大事なことはやはり早めにゴールを設定し、資産運用計画を立てておくことです。その計画にのっとり、医院経営以外からの収入や節税の手段を確保しておくことで、金銭面からみた人生の充実度は大きく変わってきます。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。


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