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銀行に優良会社と見てもらうための経営計画書のつくりかた その2:定量面の情報提供(続)
前回に引き続いて、優良会社の経営計画書の「資金運用に関する方針」が明記されている内容の定量面の情報提供についてご紹介したいと思います。
5.売上は増やすが、売掛金と在庫は増やさず、前受金を増加させる。
一般的な会社は、売上の増加に伴い、「売掛金」が増加します。
売掛金が増えるとキャッシュフローが悪化するので、優良会社では、「売掛金から前受金」に勘定科目の取り方を変えています。
以前は、当然のことながら、売掛けで売上が立つと売掛金が増えていました。
しかし、現在は「前受金」として、先にお金をいただくようにしています。
また、在庫はなるべく持たずに当用買いにしたことで、キャッシュフローはさらに改善されました。
私が知っている別の会社(C社)の社長は、以前「どうして売上が伸びているのに、手元にお金がないのか、その理由がわからなかった」と言っていました。
C社の社長は、「自分たちの会社は、ストックビジネス(顧客に継続的なサービスを提供し、収入を上げるビジネス)だから、今は一時的にお金が不足していても、いつかはペイするだろう」と楽天的に考えていたのですが、いつまでたってもラクにならない。
そこで、お金の入り方を見直したそうです。
それまでは、8月に新規の契約が決まったとすると、9月に請求書を送り、10月に入金がある、というサイクルでしたが、契約と同時にお金をもらうように変更したのです。
以前は、お金の入出金をきちんと管理していなかったため、未入金に気づくこともなかったそうです。
「法人同士の契約だから、大丈夫だろうと安心していたのですが、調べてみると、『1年以上、未入金になっていた会社』が複数あったそうです。
売上が伸びても、資金繰りに困ると、お金のことばかり考えるようになり、事業に専念できません。
C会社の社長は優良会社の社長からのすすめで銀行との取引をはじめます。
「利息がもったいないし、借金はできるだけしないほうがいいと思っていたので、当初は借入することに疑問を持っていましたが、『商売するうえで、一見さんとリピーター、あなたならどちらに融通をきかせますか』と聞かれたとき、『それはリピーターだろう』と思ったことから、自社が銀行と取引するにあたっても、何かあったときに銀行に助けてもらうには、困ったときだけお願いするのではなくて、普段から銀行に声をかけ、借入れの実績をつくっておく必要があると感じたそうです。
その結果、C社は2行と取引をしており、将来的には、もう少し取引銀行を増やしていきたいと考えているそうです。
また、現在は、毎月資金繰り表をつくるなどして、社長自らは細かく数字をチェックしています。
困った時だけ銀行を頼らない。ダメな事業は潔くやめる。支払手形を発行しない。
再建計画を考えるとき、多くの社長が「何をやればいいか」を考えます。
しかし、その考えは間違いです。
「何をやるか」ではなく、「何をやめるか」を考えるのが先です。
赤字の事業をやめる。効率の悪い地域をやめる。
やめることにより、余計な経費を使わずに済むので、利益に直結します。
それでも、多くの社長は、赤字の事業をなかなかやめることができません。
「何とかなるのではないか」と思ってしまうからです。
ですが、5年も頑張って、それでも利益が出なかったのに、その後続けても黒字化できる可能性は低く、その間のコストを考えればやめる決断が正しいと、私は考えます。
たとえ黒字でも、「このままのペースでは、資金が回らなくなる」と思えばやめる。
また、優良会社は支払手形を発行しません。
支払手形を発行すると、売上が少し下がれば、資金繰りに悪い影響を及ぼします。
赤字でも会社は倒産しませんが、黒字でも資金が決済できなければ倒産します。
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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。