不動産投資に対する金融機関の融資とは | vol.304

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アパートローンに対する審査はかなり厳しくなっている


不動産投資を行うにあたって多くの場合、金融機関からの融資が必要不可欠となります。
前回までで投資用不動産購入に至る必要な基礎知識は身についたと思います。今回のブログからは、「金融機関における融資の審査スタンスとは?」「融資にどのような種類の商品があるのか?」「どの金融機関を使うべきか?」、さらに「金融機関とのつきあい方」についてご紹介していきます。

まず、不動産投資で利用できる融資の種類についてご紹介しましょう。
融資の種類は大きく分けて、以下の2つがあります。

① アパートローン

アパートやマンションを購入するためのローン商品で、サラリーマンや事業所得者などの不動産賃貸業を本業にしていない個人投資家が対象となります。
融資限度額、期間、金利、保証人の有無などの条件は金融機関および借入人の属性によって異なります。

ひと昔前までは、融資の審査基準が数値化されているため、条件を満たせば比較的スムーズに融資を受けることができました。
しかし、昨今のアパート・マンション市場における今日の激化、過剰供給などから年々アパートローンの審査は厳しくなっており、今年のスルガ銀行の件でどの金融機関でもさらにアパートローンに対する審査は厳格化されてきています。

不動産賃貸業を行っていくための経営能力はさほど問題にならず、個人の属性と物件周辺の市場見通しが重視されます。
属性とは、勤務先や勤続年数、年収、預貯金、借金、家族構成などのことです。
もしアパートの入居率が落ち込んだ時にもローン返済をきちんと行える人かどうかを審査します。

② プロパーローン

一方、プロパーローンは、過去の経営能力や経営実績に基づいて優良な顧客にのみ適用されるローンです。
会社経営者などの富裕層が、それなりに大きな規模の不動産投資を行うときに活用する商品です。
サラリーマン投資家の場合はそれなりに実績がついた頃に、この商品での借入打診が金融機関からあるかもしれません。
プロパーローンでは、購入物件の評価はもちろん、既存所有不動産、個人属性、金融資産などが総合的に審査されます。
先ほどのアパートローンよりも融資限度額が高く、金利も低いため、審査が厳しい傾向にあります。

次に、アパートローンとプロパーローンの違いについてご紹介していきましょう。
アパートローンでは、築年数が古くて法定耐用年数を超える物件に対しても融資が承認となる場合がありますが、プロパーローンの場合、物件そのものも厳しく査定されます。
また融資限度額にも大きな違いがあります。
アパートローンでは、ある程度パッケージされた商品のため、融資限度額が決められていますが、プロパーローンは物件ごとに融資金額を判断するため、融資の上限金額が最初から決まってはいません。
不動産投資の経営経験を活かしてさらに大きい投資を行うのであれば、アパートローンよりプロパーローンのほうが融通が利くという利点があります。



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金融機関における審査の方法


続いて今度は、金融機関がどのように物件を評価し、融資額を決めるのかについて触れていきます。
審査の方法の1つは「積算評価」と言われる方法で、その物件に担保としての価値がどれぐらいあるかを次の計算式で算出します。
積算評価=土地(路線価×土地面積)+建物(建物面積×標準建築単価×<法定耐用年-築年数>)
まず、路線価を使って土地の評価を計算します。
建物の価値は再調達価格で算出します。
建物の面積に標準建築単価をかけて建築費を算出し、さらに法定耐用年数から経過年数を引いた残存年数を掛け算することで計算できます。

積算評価のほかに、収益還元評価が使われるケースもあります。
これは、その不動産が将来どれくらいの収益を生み出すかを計算する方法で、次の計算式となります。
収益還元評価=(年間賃料-管理費)÷還元利回り

この計算式の年間賃料は満室想定ではなく、現在の入居率に基づく賃料となります。
金融機関でも賃料の相場を把握しており、実際の賃料と相場の安い方を用います。
さらにそこから空室リスクや将来の家賃下落率を想定して、今の家賃の7~8割の評価を出します。
還元利回りは、類似の取引事例や公表されている市場のデータから金融機関が算出します。
そのほかに、比較事例法による評価がありますが、これは投資用のアパートよりも一般の住宅に用いられる評価方法です。

なお、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)でも今年度から、賃貸住宅向けの融資基準を厳しくしています。
アパートやマンションを業者が一括で借り上げ、家賃も業者が一括で支払う「サブリース(一括借り上げ・転貸)契約」による賃貸物件が増え、空室の増加により将来、融資が焦げ付くリスクが高まっていると判断したとみられます。

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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。

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