事業を持続させる重要なポイントとなる資産移転 | vol.359

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法人のみの資産を積み上げるとリスクが大きい


今回のブログからは、経済合理性があるという前提で、法人から個人=経営者自身や後継者などに資産をシフトする際に、一般的に法人保険がどのように活用されるのか、 そのメリットと併せてご紹介しましょう。

法人に資産をひたすら積み上げていくことは、税金対策という面から考えるとおすすめできません。
なぜなら、事業の運転資金のための現預金は必要なものですが、必要以上にお金を貯め込んでいると、税金面で様々なデメリットが生じるからです。

まず、利益の多くを貯蓄に回している法人の自社株は、評価が高くなってしまうことが考えられます。
評価が高くなった状態で相続が発生した場合は、多額の相続税が課せられます。
つまり、法人に資産を積み上げれば積み上げるほど、後々後継者が苦労することになるのです。
実際に、自社株の評価が高くなりすぎてしまったために、相続税が莫大な金額となり、後継者個人に相続税を支払えるお金がなかったため、会社を潰してしまったという事例は少なくありません。
とはいっても、「法人として資金が潤沢にないと不安」「法人の資産も自分の資産みたいなものだから、法人として蓄えておけば問題ないだろう」「個人としてそんなにお金をもらっても個人の支払う税金が増えてしまう」と考えてしまう経営者も多いのではないでしょうか。
中でも「法人として資金が潤沢にないと不安」という気持ちは、経営者であれば誰しもが考えることではないでしょうか。
「個人として資産はそれほどなくても、法人の資産を増やすことを第一に」と、法人の資産を積み上げようとする経営者もいるでしょう。
しかし実際は、「法人としては資産がそれほどなくても、個人としては資産をたくさん持っている」という状態のほうが、安心できるともいえます。
なぜなら、たとえ経営者であろうと、法人のお金を個人の資産に勝手にシフトすることはできないからです。

法人の資産と個人の資産は全くの別物だということをしっかり理解しておかなければなりません。
個人の資産となれば、当たり前ですが、経営者が自由に使うことができます。
たとえば、経営者が新しいビジネスを始めるために別の会社をつくりたい」と考えたとき、法人の資産でそれを行う場合は、法人のお金を使うからには、取締役会などで承認を得る必要があります。
もし、他の役員が反対すれば、新規事業を起こせない可能性も大いにあります。

しかし、「個人のお金を出資する」というのであれば話は別です。取締役会での承認を得る必要がありませんので、その点は心配ありません。
また、中小企業では、経営者が引退したからといって、すぐに経営から完全に手を引くケースはごく稀です。
経営者の多くは、引退後には後継者を支えるものですが、会社に不測の事態が起こったときに、経営者個人の資産が十分にあれば、会社を助けることもできるでしょう。

さらに、経営者本人に資産をシフトするだけでなく、後継者に資産をシフトすることも大切です。
これは、相続税の対策としてとても効果的な方法です。
後継者の候補ができたときには、経営者は現役時代から後継者に資産を徐々にシフトして、来るべき納税の負担に向けて準備しておいたほうがよいでしょう。
ただし、後継者がそれを日常の小遣いのように使い込んでしまうと、せっかくの計画が水の泡になるので、その点にはくれぐれも注意したいところです。
このように、経営者や後継者といった法人のオーナーがしっかりとした資産を蓄えることは、法人の経営を末永く持続させる重要なポイントなのです。
そのためには、法人から個人への資産シフトは欠かすことができない重要な作業といっても過言ではありません。

(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。
このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。



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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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