開業医の節税、経費を3種類に分けて活用しよう|vol.423

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医院の経費は誰のため?まずは3種類に分類しよう

税金対策を行わないと納税額ばかりが増え、資金繰りに苦労することがあります。税金の計算に使われる所得は簡単にいうと収入から経費を引いた金額です。まずはこの経費から見ていきましょう。

経費はおおまかに①患者のための経費、②従業員のための経費、③自己投資のための経費、と3種類に分けることができ、ここから課税所得を減らすために有効に経費を使うことを考えていきましょう。

①患者のための設備投資

レントゲンなどの医療用設備、椅子やベッド、治療器具やパソコンなども設備投資に含まれます。これらは減価償却の対象となりますので、一年あたりの償却費を把握しておきましょう。税理士に確認すれば、どのくらいの耐用年数、償却費となるか分かりますので、定期的に相談することをお勧めします。不要なものを無理に買う必要はありませんが、最新の医療器具をそろえることは患者さんのためにもなり、喜ばれます。最新の機器をそろえ、清潔な内観を維持することで、よい評判が口コミで広がり患者さんがどんどん増えていく可能性も十分にあるのです。患者さんが別の患者さんを連れてきてくれれば、開業医の収入が増えるという相乗効果にもつながりそうですね。

②従業員用の福利厚生

勤務医や看護師、事務員も含め医院のスタッフにやる気をもって働いてもらうことは大切です。

スタッフの日頃の頑張りをねぎらうためにも、特別賞与、昇給などを活用することができます。大きな黒字が出そうな年に従業員向けの報酬を追加することが理想ですが、研修旅行などの福利厚生費として一時的な費用とすることもできます。最近は人件費の高騰も騒がれていますし、インターネットで簡単に情報が手に入るため、転職市場はしっかりしています。

働く理由がお金だけではないとはいえ、インセンティブがないと従業員はすぐに辞めてしまいます。優れたスタッフを引き留めて離職率を下げるためにもボーナス原資や福利厚生費は確保しておいた方がよいでしょう。スタッフが明るく元気よく働いてくれることは、サービスを受ける患者さんにもよい印象を与え、ここでも顧客満足度の向上につながるのではないでしょうか。

③自己投資

医療法人を設立している前提にはなりますが、収入を後回しにする方法として、退職金の積立てをすることができます。その年の黒字を一時払い生命保険に投資しておけば、保険料の全額、または半額を経費として認識することで税金対策になります。自身のためだけでなく、奥様を役員にしておけばその退職金としての積立ても可能です。まだ利益が残る場合は、役員報酬を増額して理事長、理事が恩恵を受けるようにすることができます。

退職金の準備や給与の引き上げが柔軟にできることが個人事業主と比較した医療法人設立のメリットです。

これは知人から聞いた話ですが、医療法人を設立せずに一生懸命に医師としての仕事を続け、数年にわたり1,000万円超の利益を出し続けた医師がいるそうです。

残念ながらこの間に税理士からのアドバイスはなかったため、節税の手法を何もご存じでなく、税金対策としては何もしていなかったそうです。節税のノウハウがある税理士や、経費の活用に詳しい先輩医師などにもっと早く相談していなかったことが悔やまれるケースです。

一年あたりで数百万円の利益であっても、医院経営が10年を超えれば数千万円の利益に積み重なり、税金の金額も大きく変わってきます。税金の知識があるかどうかで将来の資産形成が大きく変わってくることを分かっていただけましたでしょうか。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。


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