開業医の資産運用、保険を見直すと意外な無駄遣いが見つかる?|vol.424

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開業医は保険料を払い過ぎ?まずは目的ごとに保険を分類してみよう

保険というと一番イメージがつきやすいのは、万が一の場合に家族を守ってくれる生命保険ですが、実は保険には様々な種類があり、投資商品に近いものも多数あります。医療法人や個人事業主として加入しておく目的には以下のものが挙げられます。

・開業医の病気や死亡への保障

・退職金のため

・節税(経費・相続対策)

・資金繰りのため

開業医の多くは、複数の保険の加入し多額の保険料を支払っています。中には月に50万円以上をかけている方もいるのです。死亡保障や高度障害補償がコストの中でとりわけ大きな割合を占め、多くの医師が不要な休業補償に加入しているといえます。万が一の場合の保障は手厚いものの、掛け捨て型でお金が出ていくばかりの理想的でない商品が多いというのが実情なのです。

例えば、ある知り合いの医師は保険料の合計金額が年間所得と同額になっていて、キャッシュフローが赤字になっていたケースもあります。どうしてこんなにたくさんの保険に加入してしまったのか聞いてみても、「いつのまにか加入していた」、「保険セールスの勧めに従っていたら契約件数が増えてしまった」など、必要かどうかの検討をしっかりとせずに加入してしまっていたようです。

紹介などのつきあいで深く考えずに入ってしまった保険、皆様も思い当たることはないでしょうか?



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保険は目的別に4つに分類できる

このような保険の加入過多、重複加入を防ぐためには次のようなポイントを押さえる必要があります。まず、ご自身に万が一のことがあった場合に必要な金額を把握することです。次に、加入する目的(保障内容)を明確にしましょう。この二つを押さえておけば重複する保険に入らずにすみ、無駄な保険料を払い続けることもなくなります。開業医は収入が多い方がほとんどなので、どうしても保障を手厚くするために保険料が増えるケースが多いように感じます。仕事が忙しくて検討する時間がない開業医も多いため、一年に一回でも構いませんので加入している保険が本当に必要なものか、以下の保険商品の機能ごとにじっくり見直す機会をもうけてはいかがでしょうか。

死亡・高度障害保障

ご自身の死亡、高度障害状態になってしまった場合をカバーする保険です。ここで重要なのは、そのような状況になってしまった場合にどのくらいのお金が必要かということです。ここでは先日の記事で紹介した医師の将来の収入・支出をまとめた「キャッシュフロー表」から計算することができます。

将来的な支出の中で、住宅ローンには本人にもしものことがあった場合に返済が保険でカバーされることがありますので、考慮にいれておいてください。

休業補償

開業医ご自身の病気やケガによる入院・手術費用をカバーする保険です。開業医は収入が多いため、働けなくなれば収入も大きく下がってしまうため、休業補償についてはある程度手厚くしておいた方がよいでしょう。ご家族の生活費や教育費などのコストを把握し、同等の金額が払われるような保険が理想的です。生命保険以外にも損害保険会社が出している商品もあります。

貯蓄型・運用型保険

開業医ご自身や従業員のための退職金として保険商品を活用することもできます。運用リターンはあまり見込めなくても節税に使える保険が多数あります。積立型の保険をうまく使うことで貯金のような効果を出しつつ、課税の繰り延べ効果をねらってみてはいかがでしょうか。また、一時的に資金が必要になったときには取り崩して使うこともできます。

節税目的

最近では積極的な販売を自粛する傾向もあるようですが、医療法人を設立している場合には保険を節税に使うことができます。たとえば、5年間の保険料払い込みの後に解約して保険料を受けとるタイプの商品が該当します。

解約時の返戻金は100%なので運用効果は小さいですが、保険料を経費とすることが可能なのです。解約返戻金がプラスのリターンであった場合は課税対象になりますが、現在の低金利環境ではあまり気にする必要はなさそうです。

キャッシュフロー表を活用して開業医に必要な保険金額を決めよう

必要な金額は当然のことながら開業医ごとに異なりますが、キャッシュフロー表をもとに必要な保障内容を見ていきましょう。まずは現時点で自分にもしものことがあった場合にどのくらいのお金が必要かを計算します。

子供が成人するまでの教育費、奥様が平均寿命まで生きるとした場合の家族の生活費は年間でいくらでしょうか。 現在加入している保険の保険金がシミュレーション上のコストを大きく上回る場合には見直しが必要で、不要な保険を解約することで支出が減りますので、その分を新たに運用に回せるようになるのです。

5年、10年満期の一時払い変額保険では、一定期間経過後に投資資金が返ってくるタイプの商品があります。この商品は節税になるために退職金の運用などで人気がありますが、満期前に解約してしまうと解約手数料をとられ元本割れすることがあるので注意してください。

また、今日のような低金利環境では円建ての変額保険でリターンを期待するのは難しいことも理解しておきましょう。保険を貯蓄替わりに活用して、いざというときに解約して現金に戻そうと考える人がいますが、この際にも解約手数料がかかり投資元本が目減りすることがあります。

掛捨て型の保険には運用効果はないため、あまり多用したくはないですが運用資産が少ないケースでは有効です。資金に余裕が出てきたら、運用型の商品への切り替えを検討しましょう。標準的な生命保険である定期付終身保険の定期保険の部分は掛け捨ての保険になりますので、節約したいところです。

本日は保険について説明をしてきましたが、大切なことは無駄な支出を減らし、投資または生活を豊かにするための消費に回すことだと思います。加入している保険に無駄がないか、ぜひ一度見直してみてはいかがでしょうか。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。

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