「リノベーション済み」「リフォーム済み」に騙されないために|vo.214

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

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これから不動産を取得しようと考えている方に、ぜひとも知っておいてほしいいことがあります。
それは何かというと、「すでに加工された物件」には手を出してはいけないということです。

加工された物件とは?それは、建売住宅、新築アパート、新築賃貸マンション、建売シェアハウスなどというものもありました。ふんだんに広告費をかけ、ガラスの靴を探しているシンデレラさながらに初心者投資家が群がります。


加工された物件には注意が必要

前にブログで書きましたが、加工された不動産は「使用する人」および「所有する人」を対象にしています。
「事業をする人」「貸して儲けようとする人」を対象にしておりません。

使用・所有しようとする人は儲けなど考えずに購入しますので、売る機会がない限り、売って損をするということには気づきもしません。

どうして加工された不動産では利益が出ないかというと、簡単に言えば、加工代(資材代、人件費、イメージアップや探客のための広告費など)を取られているからです。

加工した物件の分かりやすい例としては、中古住宅や中古アパートがあります。
老朽化がすすみ、そのままでは使えない、もしくは借り手がつかない建物を、使う人のために改修します。

800万円の土地付中古物件を仕入れ、 300万円でリフォームして1,400万円で販売する。
このとき単純計算で300万円の粗利がえられます。

厳密には、リフォーム用の職人さんへの人件費、部材代を粗利から差し引きますので、実際の利益は300万円より少なくなりますが、商売ですから赤字にならないように売値を決めて、売値から逆算してリフォームを行うのです。

もしこれを買主が自ら行えば、800万円で購入して300万円でリフォームすれば1,100万円で購入できる計算になります。
職業訓練校やDIYショップのリフォーム講座で学べば自分でできるリフォームも結構あります。

こういった工事を相当数手掛けている業者であれば、リフォーム費用ももっと下げられる可能性があります。
ケースにバイケースですが、大体50万円程度は安くできるでしょう。

売却を前提に考えると、リフォーム工事を自ら発注すれば、300万円安く購入でき、それを1,500万円で売却すれば、300万円儲かることになります。(前述したとおり工事業者によってはもっと工事費用を抑えることができます)

その他にも、建売、分譲マンション、分譲住宅などの新築物件においても加工されているものも多くあります。
このような物件でも、不動産屋が安く仕入れ、加工して高く売っているのです。



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不動産投資ブームに便乗してふえる不動産会社

ここ数年不動産投資ブームが続いていますが、それに便乗する不動産会社もたくさんでてきています。

アパート・マンションの建売もありますし、中古アパート・マンションも仕入れて販売しています。

中には、コンバージョンといってテナントビルを居住用に変えて販売する業者もあります。

使われていない不動産を使えるように再生するのはたしかに素晴らしいことですが、加工の手間が多いほど不動産屋の利益も大きくなる仕組みなのです。

加工物件には実はメリットもある

ただ、加工物件はデメリットばかりではありません。メリットもあります。
それは、すぐに使用できたり、収益を得ることができるという点です。

住宅であれば購入後すぐに生活できる状態になっていますし、アパートなどの収益物件であれば満室状態での購入もできるので、早期での収入獲得実現が見込めます。
建物、設備もほとんど加工されているので、購入してから改めて手を加える必要もありません。


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加工された物件を見分ける方法


「加工物件には手を出すなっていうことはわかっても、どれが加工物件か分からない」
と思う方も大勢いるでしょう。

確かにそのとおりです。 不動産知識のない方には難しいことです。
私も昔はそうでした。

ここで、一般の方にも加工された不動産を知る簡単な方法をお伝えします。

不動産広告から探る方法

不動産広告には必ず、「専任」「一般」「自社」などの取引条件が記載されています。
これは、宅建業法(不動産会社が必ず従わなければならない業法で、消費者保護の目的で制定された法律です。)の定めにより、必ず記載しなければなりません。
(根拠条文は「宅地建物取引業法(たくちたてものとりひきぎょうほう、略称「宅建業法(たっけんぎょうほう)」昭和27年法律第176号 第34条の2第1項3号」です。)

「専任」「一般」というのは、売主から依頼されて販売していると思ってください。
この場合の不動産屋の利益は仲介手数料となります。

この取引条件の欄の記載語句が
「自社」(売主)
となっている物件の場合、不動産屋の利益は売却益となります。

仕入れ価格よりも高く売った分だけ、不動産屋の利益になります。

すべての物件がそうとは言えませんが、このように「自社物件」 と表示されているものは加工不動産の可能性があります。

ただし、「自社物件」の場合は、仲介手数料を払わなくて良い物件が多いです。
「手数料はありません」とまるで特別サービスのようにアピールしている物件がありますが、手数料よりも売却益の方が規模的に大きいためです。

ただ、まれにこの部分を悪用してくる業者がいます。
別会社を作り、不動産を仕入する会社と、販売する会社を別にする手口です。
(新築マンション分譲などでも時々見かけますが、一般消費者の皆様はあまり気にしていないような感じを受けます)

そうすることで、実質的に利益と販売手数料の両方を取れるというわけです。

自社物件を購入するにあたっては、長所短所それぞれありますので、その両方を天秤にかけて判断してください。
判断の目安は加工された物件の上乗せ価格が30%以内です。売却までの保有期間や銀行からの資金調達コスト、自社の社員等の運営経費などを考えると、20%未満、たとえば15%などになると赤字になっている恐れすらあります。
20%程度だと何とかギリギリ会社としてやっていけるレベルだと思います。

逆に、30%以上は、不動産屋の利益が大きい物件と考えていいでしょう。

今日の記事は、同業者ににらまれてしまうかもしれないな。。。。
この業界は、おしゃべりは好まれません。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。

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