アパート・マンション建築は土地の有効活用にならない | vol.222

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土地は手放したくない、でも固定資産税は高いし・・・と思い、アパート・マンションを建てようと考えたことがある方は多いのではないでしょうか?

自分の土地に建てるのだからそんなにリスクはないだろう・・・・
と思う人は意外と多いもの。

金融マン兼不動産投資家として20年超この世界を見てきましたが、経験に基づくと、新築のアパート・マンション建築ほどリスクの高い不動産投資はないと思っています。
(じつは、新築アパート・マンションの一棟ものが設備投資額が多いので一番儲かるのですが。だから大手デベロッパーはバンバン広告費を使って買手を募るわけで)

不動産投資の中でもっとも競争が激しく、もっとも安定性を欠き、売却が難しいというのが理由です。
言い換えれば、投資金額を回収できる可能性がもっとも低いのが新築のアパート・マンションなのです。

空室率が高くなると投資額を回収できないばかりか、土地の価値を下げてしまうことになりかねません。
土地を有効活用するためにアパート・マンションを建てたのに、失敗したと後悔することになる可能性が高いのです。

冒頭でアパート・マンション建築はリスクが高いと、簡単に触れましたが、ここからは詳しくその理由を書いていきたいと思います。



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アパート・マンション建築が土地の有効活用にならない3つの理由

◆その①「競争率が激しい」

不動産投資に興味を持つ人は大勢います。

そして、真っ先に始める不動産投資として、アパート・マンション建築を考える人はとても多いのです。

しかし、現状、需要と供給のバランスがとれていません。供給過多なのです。
東京圏だけが例外で、日本中から単身世帯を中心とした流入が続いているので、借り手の需要と貸し手の供給のバランスがかろうじて取れている状態。それゆえ不動産価格が高く(満室想定利回りが低く)、十分な自己資金のある方(総投資額に対して3割から4割以上)でないとやっていけない状態です。都心の新築物件なら一安心と思っても、それでも築15年超になると空室率は15~20%です。貸し手側はまだローンが15年くらい残っているんですけれどもね。

よって、新築物件だからといってすぐに埋まるとは限りません。
そのような状況でも、空き地には次から次にアパート・マンションが建築されます。

これは日本全国どの都道府県でも、どの市町村でも起こっていることで、この状況はふつうではありません。
今のままでは、そう遠くない将来にアパート・マンション投資家の多くの人が破綻してしまう可能性があると思います。
ましてや、スルガ銀行の件で、ますますアパート・マンション投資家は金融機関から厳しく査定され、返済条件の緩和が厳しくなるとみています。

不動産投資に限らずですが、例えば健康にしても、私だけは大丈夫だと思っている方が多いのです。

不思議ですよね。
客観的事実として2人に1人はがんになるというデータが示されているにもかかわらず、私は大丈夫と感覚的に思って無保険状態にしているなどリスクに対する意識が低い方が多いのです。

新築時は他の物件との差別化を図れているように思うかもしれませんが、確かにその時はそうかもしれませんが、毎年新しいアパート・マンションが建てられているため、 その効果はそう長く続きません。
どんな商売でも競合が多ければ多いほど、長く安定した収益を見込めないのは当然のことです。

◆その②「不安定」

ひと昔前は、「アパート・マンションはリスクが少ない不動産投資ですよ」と建築会社の営業マンはよく口にしていたものです。
しかし、今はまったく逆の構造になっています。

アパート・マンションほど安定性を欠き、リスクが高いビジネスはないといえます。
どんな投資でも商売でも「絶対」はありません。

よって、アパート・マンション経営が絶対儲からないと言っているわけではありません。
満室に近い状態で経営しているオーナーさんがいることも事実です。

でも、何もしないで放置しているだけで儲かっているわけではありません。
満室状態を維持するために相当の努力をしています。

どの商売でもそうですが、何も努力をしないで、片手間で儲けることはできないのです。

◆その③「売却が難しい、売却に時間がかかる」

不動産ビジネスで利益を上げるためには、「いつでも売却できる状態にしておく」ことが大切です。

その観点からいうと、自分の土地にアパート・マンションを建築すると、売却が難しくなります。
もちろん、損切りすれば売却することは可能ですが、ここでいう「売却できる状態」というのはあくまでも、損をせずに売却するということです。

土地を有効に活用しようと思ったら、単純に戸数を多くすれば計画上の利回りも高くなりますが、その分建築費も高くなります。

売却するとき、高額の物件になってしまうと、それを買える個人はごくごく限られた人になります。
さらに、投資会社、不動産買取専門会社などは、相当高い利回りでなければ買ってくれません。

そうなりますと、売りたいときに買ってくれる人がいないと、損を出してでも安く売るしかなくなります。
結局建築費を回収できず、失敗に終わってしまうのですね。
余裕のない方が不動産投資を行うと、そういうオチになりがちです。

「家賃保証してくれるから大丈夫」そんなことをいう人もいます。
実際には「家賃保証は最初の2年間だけだった」という問題が数多く起きています。

契約書には建築会社に有利な条項が多く記載されていますが、一般の方は契約書をじっくり読むことはありません。(契約書の内容をしっかり説明していないことが問題なのですが)

さらには、家賃保証している代わりに建築費を高く設定している物件も多いのです。
そして、仮に家賃保証の契約がこの先継続的に有効だとしても、会社が破綻してしまえばそれでおしまいです。
リスクを低くするためには、いつでも売れるようにしておくことが大切なのです。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家でした。

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