法人保険は入口よりも出口戦略をしっかり計画する | vol.347

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「保険料を損金に計上できる」という入口だけを見て加入してはいけない


前回のブログでは、法人の実効税率が下がってきているから、法人保険の「入口」メリットが減ってきているというお話をご紹介しました。
今回は、「出口」における法人保険の効果についてご紹介したいと思います。

(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。
このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。

最近では、前述したような実効税率の引き下げの流れを受けて、法人保険を活用する際には入口でのメリットを享受しつつも出口効果をさらに重視する傾向にあります。
すなわち「出口戦略」 の重要性が以前にもまして高くなっているのです。

保険の解約時に解約返戻金を受け取った場合、その全部、もしくは一部が「雑収入」として計上します。
雑収入は益金のため、課税対象になります。
「入口で節税できたとしても、出口ではその分税金を多く支払う必要があれば、単純に『課税の先送り』をしているにすぎない」と思われるかもしれません。
しかし、あらかじめ将来的な資金使途が決まっているのであれば話は別です。
「〇年後に自社の設備を新しく買い替える予定だ」「会社をリフォームして環境を整えたい」ということが決まっていれば、 その時期にあわせて、解約返戻金を受け取れるように計画しておけばよいのです。
解約返戻金から支出することによって、その支出分の一部または全部は「損金」扱いとなり、その分相殺されて節税することが可能です。
そう考えると、出口をしっかりマネジメントできなければ、 入口の節税メリットが減少する可能性もあります。
資産をきちんと守るためにも、出口戦略をしっかり計画することが重要なのです。



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保険料の全額を「損金」に計上できる商品もある


最近では、法人保険の保険料全額を損金に計上できる商品は非常に少なくなりました。非常に少なくなっているといっても言いかもしれません。
保険の種類にもよりますが、 税制により「保険料の2分1のみを損金に計上できる」という商品が多くなっています。
商品によってどのくらいの金額を損金に計上できるのかは異なり、中には3分の1、4分の1のみを計上できるというものもあります。
全額損金にできる商品でも、全額を損金に計上できる分解約返戻率が低くなったり、解約までの期間が長かったりという特徴があります。

また、保険料を損金として計上できる期間も、商品によってさまざまです。
「保険に加入している全期間」を計上できるという商品もあれば、「保険期間の前半5割の期間」「前半6割の期間」などに限定されている場合もあるので、注意しなければなりません。
以前は、法人保険の多くは、保険料の全額を期間に関係なく損金として計上することが可能でした。
これが「法人保険は入口でのメリットが大きい」とされた理由の一つです。

しかし、法人保険の保険料を損金に計上するといった手段で節税するケースが目立つようになったこともあり、税制改正によって仕組みが変更されました。
そうはいっても現在でも、保険料の全額を損金に算入できる法人保険もあります。
また、加入方法を工夫することによって全額損金算入と同様の効果を得る方法もあります(この方法については改めて次回以降のブログでご紹介します)。

ここで改めて言いますが、法人保険は出口効果を重要視しなければなりません。
入口のメリット、すなわち「全額を損金算入できる」ということだけに飛びついて加入しても、あとになって「予定していたより解約返戻金をもらえず、結果的に損してしまった」と法人保険の加入で失敗することにもなりかねません。
その保険の入口メリットと出口メリットについて保険加入前に内容を吟味確認し、入口と出口両方のバランスがとれている商品を選ぶことが大切です。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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