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養老保険のハーフタックスプランが法人保険のスタンダードスキーム
今回のブログでは、保険料の全額を損金として計上できるプランを中心に、いくつかの法人保険活用スキームをご紹介していきましょう。
まずは、「ハーフタックスプラン」というプランをご紹介します。
これは、すでに30年以上も前から活用されている定番中の定番と呼べるスキームです。
ハーフタックスプランとは、本来は資産計上である養老保険を利用して、支払保険料の半分を損金に計上できるようにするプランのことです。
法人向けの養老保険の仕組みは、個人向けの養老保険と基本的には同じで、積み立て型の保険です。
例えば、年間1,000万円の保険料を支払う場合、保険期間が10年だとすると、10年で1億円の保険料を支払うことになります。
被保険者が保険期間中に死亡した場合には1億円の死亡保険金が保険会社から支払われ、何もなく満期を迎えたときには、支払った保険料1億円分が戻ってきます。
よって、貯蓄をしている感覚で利用できる保険といえます。
しかし、保険会社によっては満期時でも元本割れする商品もあるので、保険加入時にはこの点に注意しなければなりません。
ハーフタックスプランを実践するには、まず、養老保険の契約の形態を以下のように設定します。
ハーフタックスプラン実践の際の養老保険の契約形態
- 契約者 法人
- 被保険者 経営者、役員、従業員
- 死亡保険金受取人 経営者、役員、従業員の遺族
- 満期保険金受取人 法人
なぜハーフタックスプランが節税に役立つのか?
保険期間中に被保険者である経営者や役員、従業員が死亡した場合、保険金はすべて遺族に支払われます。
つまり、保険金が死亡退職金や弔慰金の原資になるというわけです。
なぜハーフタックスプランの支払保険料の経費処理はどうするのか?
支払保険料の経理処理については、半分が保険積立金(資産計上)、残り半分が福利厚生費(損金計上)となります。
これで保険料の半分を経費として扱うことができます。
「このケースでは、会社にはお金が入らないのだから、保険料の全額を損金として計上できないか?」と思う方もいるかもしれませんが、これについては認められていません。
なぜなら、被保険者が保険期間中に死亡した場合のみ遺族に支払われるのであって、満期保険金は会社に支払われることになるからです。
そのため、ハーフタックスプランのような形態においては、「支払保険料の半分を損金として認めるのが妥当」というルールになっています。
経営者・役員の勇退退職金、従業員退職金に充当も可能
なお、満期保険金や中途解約した場合の解約返戻金は、経営者や役員の勇退退職金、および従業員の退職金等に充当することもできます。
退職金の支給方法としては、以下の2つのパターンがあります。
- 保険を解約して解約返戻金を会社で受け取る。会社は受け取った解約返戻金を原資に、退職金を「現金支給」する。
- 保険の名義を退職者個人の名義に変更し、保険の「現物支給」という形で支払い、その後「払済保険」を活用する。
どちらの方法も退職時に課税される退職所得は同じですが、すぐに現金化するか、 「払済保険」にして保険の保障機能を維持するのか、という点で異なります。
養老保険は、保険会社によっては「払済保険」を活用できない場合もありますので、事前にしっかり確認しなければなりません。
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逓増定期保険やがん保険がハーフタックスプランと呼ばれない理由
逓増定期保険やがん保険も、支払保険料の半分を損金として計上できますが、 一般的にそれらをハーフタックスプランとは呼ばれません。
一般的にハーフタックスプランとは、養老保険を利用したスキームのことのみを言います。
逓増定期保険もがん保険も、以前は支払保険料の全額を損金として計上可能でした。
しかし、法律が改正されてからは、多くの保険商品で、損金として計上できる額が全額から半額に変更となりました。
しかし、逓増定期保険やがん保険が全額損金算入可能であった時に、養老保険は唯一、半額損金算入の商品だったことから、養老保険のみが「ハーフタックスプラン」と呼ばれ、現在もその呼び方が残っているのです。
ちなみに、現在は、多くの生命保険会社がハーフタックスプランとして利用できる養老保険を取り扱っています。
その中でも、大手生命保険会社が大きなシェアを占めています。
他の法人保険のメリットが徐々に縮小している昨今では、スタンダードなスキームとして再び注目されています。
(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。
このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。
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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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トランクルーム大家より。
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