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前回のブログでは、「株式会社設立の手続き」と「定款の記載事項」についてご紹介しましたが、今回は、「株式会社設立時の取締役や監査役の選任」についてご紹介していきます。
この記事を読んでくださっているあなたも、大家さんとしてのレベルが上がってくると法人化について考えなければ税率が上がって困る、という事態に直面する日がやってきます。
私のブログでは不動産投資家として成功するためのノウハウ、考え方、規制、制度面や手続きについてもできるだけ詳細にお伝えしたいと思って記事を書いています。みなさんが将来成功するための参考になればうれしいです。
会社設立の手続きですが、設立の経緯により手続きが異なるので、注意が必要です。
設立方式が2種類あり、発起設立と募集設立があります。
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発起設立と募集設立では手続きが異なる
発起設立の場合
株式会社の設立時に多く選択される発起設立の場合は、株式の引受けがなされたあとに、会社発起人は発起人会を開催して、取締役を選任する必要があります。
新会社法では、以前の有限会社のように取締役が一人のみという株式会社の設立も認められていますので、取締役は複数いなくても構いません。
ただし、取締役会を設置する会社を設立する場合は、取締役を3人以上選任します。
そもそも、取締役会というのは、企業規模が大きくなって社長一人では会社を運営することが難しい規模になってから考えればよい話なので、「資産管理会社(または資産保有会社)を設立して節税の仕組みを作ろうかな?」レベルの段階であれば、考える必要はありません。
また、監査役を設置する会社を設立しようとする場合は、監査役の選任を行う必要があります。
そのほか、設立しようとする会社の機関構成に応じて、会計参与や会計監査人も選任することが可能です。
(監査役、会計参与、会計監査人も同様ですので、企業規模が小さいうちは不要です。不動産投資家の資産管理会社や資産保有会社でこのような大掛かりな意思決定機関の設置を行っている例は、ほとんどないと思います。)
ちなみに、取締役、監査役などの役員は必ずしも発起人から選ぶ必要はありません。
取締役や監査役選任にあたっては、発起人が株式引受人として引き受けた株式1株につき1個の議決権を有し、その議決権の過半数によって決定することになっています。
発起人が2人以上いる場合は、発起人会を開催して決定します。
なお、発起人が1人の場合、その1人の発起人がすべてを決定することになります。
しかし、実務上は、定款の中に設立時の取締役を記載することになるため、再度選任の手続きをとるようなことはしないでしょう 。
<取締役会を設置する場合には代表取締役を選定する>
取締役会を設置する会社を設立しようとする場合には、取締役の中から代表取締役を選定しなければなりません。
株式会社設立時における代表取締役の選定は、取締役の過半数によって決定されます。
代表取締役を選定するための取締役会は、発起設立の場合は定款認証後に行います。
そして、代表取締役に選ばれた人が、代表取締役に就任するためには、就任の承諾が必要となり、就任承諾書へ代表取締役が個人の実印を押印します。
取締役会終了後は議事録を作成することになりますが、議事録には議事の経過の要領とその結果を記載し、出席した取締役(場合によっては監査役)の全員が署名または記名押印します。
<登記申請書類や届出書類を作成する>
登記申請は原則として、会社を代表者が本店の所在地を所轄する登記所に書面を提出して行います。
また、代理人(司法書士)に申請を依頼することも可能です。
その場合、申請人(会社を代表する者)の委任状が必要となります。
登記申請に必要な書類は、それぞれ 1通ずつ用意します。実務上は、会社保管分を含めるとそれぞれ2部ずつ作成することになります。
登記申請書や添付書類ができあがったら、誤字、脱字、脱印、訂正箇所の訂正印、記載内容などを精査します。
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募集設立の場合
募集設立とは、発起人のほかに、発起人以外に出資者を広く一般から募集して会社を作る方法です。
なお、募集方法については特に決まりはありません。
親族や縁故知人だろうが一般から公募してもどちらでも構いません。
つまり、発起人だけでは出資を賄うことができないような大規模な会社の設立に向いている方法であり、発起設立に比べて事務手続が複雑となります。
設立時の役員等の選任についても、創立総会(会社成立前の株主総会のような機関)で決定しなければなりません。
創立総会の決議要件は会社法で厳しく規定されていて、
「議決権総数の過半数の出席」
「出席した設立時株主の議決権の2/3以上の賛成」が必要となります。
実際のところは、会社法の施行により、募集設立という方法で会社を設立することはほとんどないと思われます。
不動産投資家の方や富裕層の方が節税目的で資産管理会社や資産保有会社を作る場合には、募集設立で広く大衆に資本を募るということはないと思いますので、その場合、設立方法は前者の発起設立の方が適していると言えましょう。
きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
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