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1.努力が報われるとは限らない
「 『努力は報われる』と思う人はダメですね。努力を努力だと思うのがだいたい間違いですからね。
努力が報われるなんて絶対思っちゃいけないね。
報われると思ってやっちゃ、ダメなんですよ。
『好きだからやってる』だけで終わっといた方がええね。
これは報われるんだと思うとよくない。
人は見返りを求めるとろくなことがないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね。
努力を認めてほしい人は失敗しますね。
こんなに頑張ったのに、とかね。
がんばってどうにかなるもんじゃないからね。」『ヤングタウン』(MBSラジオ)2014年6月7日
「努力が報われるとは限らない。
『好きだからやってる』だけで終わっといたほうがええ。
努力を認めてほしいと思っている人は失敗する。」
2.『頑張る』『努力』という言葉はすべて『行動』という言葉に切り替えた方がいい
「オレら(お笑い芸人、タレント)はもうね、がんばるのが当たり前っていう。
オレは『がんばる』とか、『努力』という言葉を外して、
『行動』するという言葉に切り替えた方がええって、ずっと言ってるんですよ。
がんばったって、なんやねん。みんな、がんばってるからな。」『ヤングタウン』(MBSラジオ)2021年5月22日
3.努力という言葉を努力不足のやつがつくりよった
(インタビュアー)
「たけしさんの名言でいらっしゃいます。努力すれば叶う夢もある。」
(ビートたけし)
「努力すれば必ず叶うって言う人がいるけど、そんなことは絶対ないって。
かなう夢はあるけど、叶わないのがほとんどなんだっていう。」
(明石家さんま)
「これはもうたけしさんらしいよね。
でも大体、努力もこれ、もう死語にした方が。
努力ってみんな普通にするもんやろ、実は。」
(ビートたけし)「そうだ。」
(明石家さんま)
「行動やろ。うん、人と、人としての。
それを努力という言葉を、努力不足のやつが作りよったから。
多分そうやねん、逃げ言葉やねん。
努力って本当にしている人は言わないですよね。」
(ビートたけし)
「(読売ジャイアンツの強打者だった)長嶋さんとか王さんの話しているとき。王さんなんてホームラン王で三冠王を持ってたじゃん。で、夜中に起きちゃうと急にバットを振りだすんだって。そうすると、レギュラーのやつはぱっと目が覚めて、うわー、あれだけすごいバッターが努力しているのか。努力してるっておもったら、王さん来て『振らないと寝られないだけだよ』って言ったっていう。」
(明石家さんま)
「ただ練習してるんじゃないと。振らなきゃ眠れないと。」
(ビートたけし)
「長嶋さんは地方の旅館いくと、雑魚寝なんだってね。(旅館の部屋の)一番奥に長嶋さん寝てるんだけど、夜中にみんなを踏んづけていくんだって。
『うっ、うっ、だ、だれか踏んだか!』って。なにがミスター凄いって、みんながまた寝たら、また帰ってきて踏んじゃうんだって。それが必ず地方にいくと続いたんだって。
あるときに、何ともなしに、ぱっと起きた人がトイレに起きた人が見たら、長嶋さんがバット振ってるんだって。で、帰ってきてもみんなのことを踏まなかなった。
その年は引退の年だったんだって。
気を使うようになっちゃうんだ。長嶋さんはみんな踏まないように歩き出した瞬間にその年で終わった。」
(明石家さんま)
「だから王さんとか長島さんとおそらくそれを努力だとは絶対に思ってないんですよ」『世界丸見え!テレビ特捜部 1000回記念SP』(日本テレビ)2016年4月4日
「”せっかく努力したのに”とか、口が裂けても言うなよ。
”せっかく努力したのに”って、”さんまちゃんおもしろくない”の次におれが嫌いな言葉や」『ヤングタウン』(MBSラジオ)2006年3月11日
4.さんまの天才さは努力の結果
さんまは、「人並以上に努力しているのに、天才だと感じさせてしまうタレント」といわれる。
だが、その勉強熱心さを周囲はちゃんと知っていた。
放送作家の古川嘉一郎は、「笑いの会」主催で『ダイラケ爆笑三夜』(昭和五十三年九月、大阪・心斎橋パルコ)を開いたとき、「会場の後ろでじーっと聴いているさんまさんの姿が印象的だった」といい、佐敷(*)も、「新人のころから、お笑いに限らず、他人の芸をよく観察していた」と証言している。
* 佐敷とは、当時、若手芸人のマネージャー的存在だった吉本興業の社員。
読売新聞大阪本社社会部編『上方放送お笑い史』(読売新聞社)