開業医の金融資産を4つにグループ分けして整理しよう。その2|vol.430

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

開業医の生涯収入の土台作りその2:キャッシュフロー型資産(賃貸用不動産、投資信託、株式や債券)

開業医は収入が高い方が多いため、引退後の収入として年金だけでは不足する場合がほとんどだと思います。そこで、現役時代からキャッシュフローを生み出す資産に投資しておくことが大切になります。賃貸用不動産は安定して高利回りを生み出してくれる資産の代表格で、まとまった定期収入を得るために適しています。

一方で元本確保型の債券は発行元が破綻しない限り元本が全額返ってくるために比較的リスクが少ない商品ですが、日銀が導入した金融緩和政策によって日本では超低金利時代が続いているため、今の環境では十分なリターンを期待することが難しい状況です。多少高いリスクを許容できるようであれば、外貨建ての海外債券や投資信託には平均して5~6%のリターンを上げる商品もあるのです。為替リスクが生じますが、米ドルなど身近で予測がしやすい通貨で市場が円高のタイミングを狙って購入することで、外貨が上昇した場合にメリットを得ることもできます。 どのくらいのリターンを得られるかによって、引退時期を早めることや、引退後のゆとりを生み出すことができるために投資商品の選定と分散はとても重要になってきます。ここでは、それぞれの商品の特性をみていきましょう。

開業医のキャッシュフローを支え、節税も狙える不動産

不動産と言えば、資産運用の王道で新聞の折り込み広告などで日常的に見るものですね。収益不動産といっても商品や投資方法などで実は何種類にも分類されます。ワンルームマンションやオフィスビル、一棟買いまたは区分所有、ローンの可否などが思いつきます。用途別では賃貸に限らず、駐車場やトランクルームといった活用法もあります。このように、まとめて「不動産」といっても多種多様なため、不動産の特徴や投資の目的によって適した運用方法を考える必要があるのです。とはいえ、不動産の専門家でなければ細かいことをいろいろと決めるのは難しいかもしれません。そこで、不動産投資について、まずは大きく「節税」と「キャッシュフロー」の2つの目的に分けると覚えておきましょう。

「節税」が目的の場合、銀行からの借り入れをして不動産を買うことによって、金利支払いや減価償却費を経費として医院の所得と相殺させて所得を減らすことが可能となります。ここ数年間ではタワーマンション投資が非常に人気ですが、これは資産評価額を下げるための相続税対策として使われている手法です。このため、一定の条件を満たすタワーマンションの価格は高騰していますので、利回りは下落し大きなキャッシュフローは期待できません。億ションと呼ばれるようなマンションを投資用に購入したとしても、利回りを追求するためには家賃を高く設定しなければならず、一方で相続税対策のために購入して貸したい人はたくさんいるため、入居者を探すのに苦労してしまうのです。また、最近では資金に余裕がある海外の投資家も日本の不動産の値上がり益を狙って参入してきていますので、キャピタルゲインを狙った不動産投資は競争が激しいといってよいでしょう。

一方で引退後の安定した生活やそれまでに必要な資産作りであれば、「キャッシュフロー」が目的となります。この場合には、価格の安さ、利回りの安定、不動産価値が下落しにくい、などのポイントを押さえながら投資することが大切になってきます。

それでは、物件を選ぶときのポイントは何でしょうか。安定した賃貸収入を得ることが目的ですから、借りたい人が多く集まる場所がよさそうです。以下のような点を頭にいれながら物件を絞りこむのがよいと思います。

・強い賃貸ニーズ:主要駅の近く(駅直結のマンションなど)、2路線以上の駅周辺エリアは人気。都心への通勤時間が短いことも重要。

・人口流入:都心部、地域の政策(子育てなど)により世帯の移住が見込めるエリア

・ブランドネーム:住みたい街ランキングに掲載されるエリア(横浜、自由ヶ丘など)

・特区:スマートシティなど政策的に新しい住民を集めているエリア

要するに、大きな駅に近くて、少子化社会でも地方から人が集まってくるような地域ということになります。地方から出てくる人は学生などの単身者が多いだめ、手ごろな価格のワンルームマンションなどは人気が続くでしょう。ワンルームタイプは退去してもすぐに代わりの入居者が入りやすいこともメリットです。地域分散をはかるためや、不動産投資経験の浅い開業医はマンション一室の区分所有から始めてみるのもよいかもしれません。

本日は不動産のメリットを中心に説明しましたが、リターンがあるものにはリスクがあります。次回は不動産のリスクについて説明したいと思います。お楽しみに。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。

ポータルサイトにあなたのトランクルームを掲載しませんか?
1ブランド(1運営会社、1個人事業主)につき3店舗までは無料!
トランクルーム・レンタル収納検索|MYKURA.COM

運営:満室経営研究会 (運営 日本公共収納(株))
略して満研(まんけん)。
「無料会員登録」画面からメールアドレスを登録していただきますと、翌日以降物件速報が届くようになります。