開業医の年代別資産運用戦略 |vol.437

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開業医の第一ステージ、資産運用のポイントは?

ここまでは開業医の資産形成についていろいろな角度から情報を更新してきましたが、その人にあった運用戦略というのは年代やキャリアのステージによって異なると考えるのが通常です。開業を目指す医師であれば準備資金をどう貯めるかを考えるでしょうし、開業後10年を超える医師であれば、今までに積み上げた蓄えをどうやって有効活用するかを考えることが大切で、ステージごとに答えは違うのです。今回からは開業医それぞれの年代、ステージに合った資産運用戦略について具体例を交えながらご紹介したいと思います。

開業医の第一ステージ:勤務医

これから開業を目指す医師や、資金の返済で資金にあまり余裕がない開業して数年の医師もここに含めたいと思います。年齢でいうと20台後半から30代半ばまででしょうか。開業したてであれば、医者としての技術が高いことは当然ながら患者さんから信頼されてより多くの人に来院してもらうマーケティングの要素も大切になってきます。自費での開業であれば、医院経営以外の出費をぐっとこらえて黒字を出し、少しずつでも資産を増やしていきましょう。銀行から借入れがある場合には、今後資産運用での付き合いが出てくるので銀行から信用を得ておくことが大切です。このステージにいる医師について、具体例をみていきましょう。

ケーススタディー① 勤務医Aさんの場合

家族構成:妻は専業主婦、子供2人

年収:1,500万円

金融資産:2,000万円

Aさんは勤務医として安定した収入を稼げるようになってきたところですが、生活費もそれなりにかかるようになってきました。これからは子供の教育費などが大きくなってくると予想されることから、独立開業をするべきかどうか悩んでいました。開業することは必ずしもゴールではなく、幸せな人生を手に入れるための手段ですから、Aさんが将来やりたいことについて聞いてみました。すると、このような夢をお持ちでした。

「60台には引退して、妻と海外で生活をしたい。」

「引退後は好きなことをして過ごしたいので、年間1,000万円程度の不労所得を目指したい。」

もともと開業して医院を持つことを夢見て医師になったということで、家族を養っていけるかどうかが悩みということでしたので、開業するためのプランとどのような準備が必要かをまとめてみました。

今後5年間:開業資金を貯める。追加で必要な資金は親からの援助や、銀行借入れなどの選択肢を探っておく。リース業者などと付き合っておくと将来役立つ。

開業~10年間:生活費、教育資金を確保しつつ、余った資金を資産運用に回す。毎年決まった金額を資産運用に回せるとベスト。

開業10年~20年後:子供が卒業を迎え、出費が減ってくる。運用金額も増えているため、不労所得が増えたまま安定することが理想、年間1,000万円を目指す。借入れは引退前には返済してしまうようなスケジュールで。後半には跡継ぎを決めておき、徐々に仕事や権限を移譲していく。引退後の準備として住みたい町、引退後にやりたいこと、ネットワークを作っておく。

開業20年後以降:年間1,000万円の不労所得といままで積み上げた資産を活用して引退後生活をスタート。

勤務医や開業医の初期の頃には、将来の不確定要因が多く細かい条件にこだわる必要はなく、第一ステージではまずラフなイメージをすることが大切です。将来のどのタイミングで何が必要かがとてもクリアになった、とAさんは言います。プランができれば、あとは実行あるのみでAさんは開業に向けて資金を貯めはじめ、事業計画に落としこむところまで進めています。

開業に必要な資金は4,000万円として、現在の資産2,000万円なので不足分は2,000万円。地方銀行や信用金庫から融資を受けることは十分に可能でしょう。資産運用を増やす際の借入れ先としても付き合いが続くこともあるので、銀行とはよい関係を作っておきましょう。

Aさんが成功した一番の要因は、夢を実現するために早めの段階で専門家に相談をして、計画を立てたことにつきます。資産運用のゴール達成のためには、病気になったら医者に見てもらうことが一番のように、金融のプロと相談することが一番でしょう。Aさんは現在でも、勤務医として忙しい日々を送りながら開業に向けた準備を着々と進めていらっしゃいます。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。

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