資金に余裕があっても、繰り上げ返済はしない方がいい | vol.389

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契約書どおりに返済するのが借入れのルール


「多少金利が高くても、返済期間は長く」が借入れの基本の考え方です。
しかし、「金利は安く、返済期間は短く」している社長は多いですね。

結果として、資金繰りが苦しくなります。

「借金は悪」「支払利息はもったいない」「銀行は敵」と考えている社長は、借入れをすると同時に「資金に余裕が出れば繰り上げ返済をしたい」「リスケ(リスケジュール)をしたい」と考えます。

ですが、資金に余裕があっても、繰り上げ返済をすることはおすすめできません。

理由は、繰り上げ返済をすると銀行の収益が減るからです。
「早くお金を返したほうが、銀行もお金を回収できて喜ぶのでは」と思われるかもしれませんが、その考えは逆です。
銀行は融資をする際、「この会社にこれだけのお金を貸すと、これだけの金利が得られる」という「期限の利益」をあらかじめ計算しています。
ですから、期限より前に返済されると、利益が少なくなってしまう。

赤字のときは銀行のリスクが大きくなるから、どうしても金利が高くなります。
ところが、業績が回復したとたんに、「高い利息を払うのは損だ」と考える社長が多くいます。
私が「何とか支払い利息を少なくする方法はありませんか?」 と相談をされたときは、次のように答えるようにしています。

「銀行は、あなたの会社が苦しいときでもお金を貸してくれましたよね。それなのに、あなたが自分の都合で 『金利を下げてくれ」と言うのは、恩を仇で返すのと同じですよ」
会社と銀行はビジネスパートナーなのですから、会社側の都合で、繰り上げ返済するべきではないと私は思います。
契約書どおりに返済するのがルールです。

銀行から返済を求められた場合は繰り上げ返済をしてもかまいませんが、そのときは他行からの借入れを増やしておきましょう。
そうしないと、今までどおりにお金を回すことができなくなります。



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業務改善をしなければ、リスケをしても倒産する


借りた額の半分くらいを返済したら、銀行に「折り返し」でもう一度借りることが大切です(返済した範囲内でもう一度借りることを折り返し融資といいます)。

たとえば、「5,000円を期間5年」で借入していて、3年で2,500万円返済したとします。
そのときはもう一度「2,500万円」を借りて、そこからあらたに5年の融資をしてもらいます。
この場合は、繰り上げ返済に該当しません。
なぜなら、銀行側からみれば、貸出金額と金利の両方が増加し、収益が増えるからです。
私の知っているある会社は、「銀行からの借入総額が5億7,000万円、返済金額は毎月1,700万円」(取引のある銀行数は、11行の23契約)でしたが、現在の返済金額は、「毎月21万円」です。

銀行がリスケに応じてくれたのは、その会社の社長が「経営計画を見直して、厳しい経営に踏み出すことを決断したから」です。
返済期間を延ばしたとしても、業務改善が見込めなければ、銀行はリスケに応じてくれません。
業務改善が期待できない会社は、遅かれ早かれ倒産することになります。

業務改善をするうえで、もっとも重要なことは社員教育です。
今の日本の産業は、「約8割がサービス業」です。
サービス業は、商品でのライバルとの差別化がむずかしい。
自社が売れる商品を持っていたとしても、同業他社が同じものを仕入れたら同じ位置に並ばれてしまいます。

では、一体どこで差別化するのか。
それは、社員しかありません。 つまり接客=人です。
銀行から借入して、社員教育をするのです。社員=人の成長なくして、会社の成長はありえません。
リスケしてもらった会社は、社員教育に力を入れることを決めました。
この姿勢が銀行に認められ、「返済期間を延ばして、返済金額を少なくする」ことができたのです。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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