経営計画とは、会社の数字を知ることである | vol.398

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倒産寸前だった会社がなんとか生き延びた理由


私の知り合いのD社長から聞いた話ですが、首の皮一枚で倒産を免れたことがあるそうです。

この会社は5つの銀行から借入をしていました。

もっとも借入額が大きかったのは、某メガバンク(A銀行)です。
この会社の社長がA銀行に借入れの相談に行ったとき、担当者が持っていた資料に「貸出不可」が書かれているのを偶然見てしまったそうです。

それでも担当者は、「昨年からお話をいただいているプロパーの件も、現在進めております」といかにも融資見込みがあるような対応をしたのです。
銀行としては間違った対応ではありません。
しかし、やはりA銀行は融資をしてくれませんでした。

これは倒産するかもしれない、となったとき、手を差し伸べてくれたのが地元信用金庫(B銀行)です。
B銀行は、他行の借入を全部まとめて借り換えをしてくれました。
なぜ、B銀行は、苦しい会社にリスクを承知で融資したのでしょうか。

B銀行の支店長は、その理由をこう語ったそうです。
「融資したのは、経営計画書があったからです。」

つまり、経営計画書がなければ、この会社は本当に倒産していたかもしれません。



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銀行は「数字で話せる社長」を評価する


ではなぜ、経営計画があると融資してくれるのでしょうか。
その理由は、「数字で論理的に話ができる社長」を銀行は評価するからです。

経営計画を作成して、「貸したお金がどのように使われているか」「どのような返済計画を持っているのか」「1年後、3年後、5年後の利益目標はどれくらいか」「どのような財務体質の会社にしたいのか」といった「会社の将来」を根拠ある数字で示すことができれば、銀行も安心して融資することができます。

しかし、経営計画がないと、銀行は「この社長は損益計算書や貸借対照表も資金繰り表も全然わかっていない」と考えてしまいます。
銀行も商売ですから、自分の会社のお金の数字がわかっていない社長に融資するほど、お人好しではありません。

銀行は「過去のこと」を審査しますが、「未来のこと」を審査する機能が弱い銀行がほとんどです。
決算書を銀行に提出すると、銀行は決算書の数字を分析し、格付けを判定します。
でも、それは、過去に対する分析や評価であり、また、未来に対する一般的な予測でしかありません。
だからこそ、中小企業の社長は、会社の未来を期待させる「数字に根拠ある経営計画書」を銀行に提出する必要があるわけです。


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経営計画書をつくる中小企業は意外にも少ない、だからこそ作る価値がある


貸借対照表を基に「長期的にどのようにお金を借入し、どのように使うか」「売掛金や在庫など、短期的に必要なお金をどうやって賄うか」といった経営計画を立てても、この方法ではお金が回らなくなることがあります。
さらに言うと、経営計画書を作成するだけではなくて、計画を達成するには、「経常利益を増やす必要がある」とか「新規投資はやめよう」など、社長の決定が欠かせません。
銀行は、この社長の決定にお金を貸すといっても過言ではありません。

私の知人の社長が取引銀行に経営計画書を見せたところ、融資担当者は「中小企業で経営計画書を作成する会社は、非常に少ない」と高く評価されたそうです。
中小企業の社長は意外にも、自分の会社の数字が分かっていません。
だからこそ、経営計画書をつくる社長は信用されるのです。

経営計画書に記載すべき内容とは?

対前年で120%伸びた場合に「どれだけ利益が出て、お金が足りなくなるか(余るか)」 「支払い能力は十分にあるか」「返済能力はどれぐらいか」「減価償却費はいくらになるか」「設備投資は可能か」といった「会社の数字」を計算し、以下のことを明確にする必要があります。

  • 「長期事業構想書」( 5年先までの事業計画)
  • 「長期財務格付け」(安全性、収益性、成長性、返済能力から見た格付け判定)
  • 「長期財務分析表」(経営効率、資金繰り、運転資金の回転率など)
  • 「経営目標」(今期の売上高、粗利益、経常利益、経費、人件費など)
  • 「月別利益計画」(各月の 売上高、粗利益、売上原価などの「目標」と「実績」)
  • 「支払金利年計表」(1年間でいくら利息を払っているか)

この数字を明確にした経営計画書を銀行に提出しておくことで、融資の際にあらためて資料を作成する必要がありませんし、銀行からの信用力も上がります。

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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