相続税を賢く節税する | vol.258

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前回の話「税金を多く払い過ぎてしまった場合はどうすればいいか」の続きで節税の話です。相続税というと、ひと昔前までは基礎控除額が大きかったため、資産をたくさん持っているお金持ちにしかかからない税金でした。


相続税はもはやお金持ちだけにかかる税金ではない

以前の相続税の基礎控除額

以前の基礎控除額は次のような計算式でした。
相続税基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

法定相続人が1名なら、相続税の基礎控除額は6千万円。
法定相続人が3名なら、相続税の基礎控除額は8千万円。
法定相続人が5名なら、相続税の基礎控除額は1億円(!)。

基礎控除額なので、この金額が大きいほど相続税の納税額は減らすことができるということです。
以前は、子だくさん、ビッグファミリーは大きく節税できたんですね!

上の計算例でお分かりのように、もし、父親が亡くなって、母親と子ども2人の合計3人が相続する場合は、財産の評価額が8,000万円までは相続税がかからなかったのです。
つまり、相続財産の評価額が8,000万円に満たなければ、相続税は他人事の話で済んだのです。

現在の相続税の基礎控除額は、減らされてしまった

ところが!

平成27年1月1日以降に発生する相続分から、この基礎控除額が6割に減額されました。

計算式は以下の通りです。
相続税基礎控除額=3 000万円+ 600万円×法定相続人の数

法定相続人が1名なら、相続税の基礎控除額は3,600万円(昔は6千万だったのに…)。
法定相続人が3名なら、相続税の基礎控除額は4,800万円(昔は8千万だったのに…)。
法定相続人が5名なら、相続税の基礎控除額は6千万円(昔は1億だったのに……)。

これにより、法定相続人3人が相続するときの基礎控除額は4,800万円まで下がってしまいました。
つまり、相続税が増税されてしまったということ。

地価が高い首都圏に土地を所有していると、財産が持ち家だけだとしても、土地の大きさによっては相続税を払う可能性が高くなったのです。

親が所有する家を相続して、そのまま住み続けるだけで税金がかかるのでは、ちょっと厳しいと思うかもしれませんが、それが現実になってきています。

もはや相続税は少数のお金持ちにだけかかる税金ではなくなったのです。

だからこそ、相続税を申告するときには、土地を過大評価しないようにし、万が一、過大評価をして相続税を払い過ぎてしまったとしたら、「更生の請求」をして還付をしてもらうようにすることです。


(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。




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相続税の対象になる財産とは


相続した財産はすべて相続税の対象になるわけではありません。

相続税の申告において、まず相続する財産がいったいどのくらいの価値があるのかを評価します。

財産と聞くと、真っ先に現金、預貯金、それに土地・建物などの不動産を思い浮かべることと思います。
ほかにも、株式や国債などの有価証券、生命保険なども財産です。

しかし、相続税の対象となる財産は、これだけではありません。
貴金属・宝石、書画・骨董、自動車なども財産です。
土地を借りていれば借地権も財産になります。
貸付金、売掛金、特許権、著作権なども財産に含まれます。

いわば、お金に換えられる財産はすべて相続税の対象になります。
よって、亡くなった人(被相続人)が買った家具や電化製品、庭木や盆栽、庭石なども相続財産になるのです。

生前贈与された財産も相続税の課税対象となる場合とは?

また、父親や母親から財産を受け取るのは、相続するときだけではありません。
生きているうちに財産をもらう贈与(生前贈与)という方法もあります。

生前に贈与された財産は、本来は相続税の対象とはなりません。
しかし、相続財産をもらう人が相続の開始日(被相続人が死亡した日)から3年以内に被相続人から贈与を受けていると、贈与を受けた財産も相続税の対象になります。

5年前に父親から1,000万円の贈与を受け、今年になって父親が亡くなったとすると、父親の財産を相続しても贈与分は相続税の対象にはなりません。

ところが、2年前に父親から1,000万円の贈与を受け、その父親が今年になって亡くなったとすると、贈与を受けてから3年以内なので、父親の財産を相続すると、贈与分は相続税の対象になるのです。

この場合は、本来の相続財産に贈与分を上乗せして相続税を計算することになります。

また、相続時精算課税の適用を受けて贈与された場合は、 3年以上前に贈与されたものであっても、相続財産に含めて相続税を計算します。

相続税の課税対象にならない財産とは?

一方で、相続税の対象にならない財産もあります。

「非課税財産」といって、お墓、永代供養代金、仏壇、香典、国などに寄付した財産、死亡保険金・死亡退職金のうちの一定額などが対象です。

死亡保険金や死亡退職金は、残された人が受け取るものですから、本来は被相続人の財産ではありません。
ただし、相続税を計算するときは相続財産とみなして、本来の相続財産に上乗せします。

よって「みなし相続財産」といわれます。
死亡保険金や死亡退職金は全額が課税対象となるのではなく、非課税枠があります。

このように、相続する財産によっては相続税の対象になる財産とならない財産があります。
これらをうまく活用して相続税を節税することを検討してみてはいかがでしょうか。


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