相続税を自分で計算してみよう | vol.261

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前回のブログでは相続税の払い過ぎのほとんどは土地が原因であるということについてご紹介しましたが、今回は相続税の計算方法についてご紹介します。


すべて税理士任せではダメ

相続税の申告は税理士に任せたからあとは大丈夫、自分は相続税の計算方法を知る必要がないと思っている方もいるでしょう。

しかし、もし相続税の還付を受けようとするなら、どういう計算方法で相続税を払ったのかを知っておかなければなりません。

なお、遺産総額を計算したところ、相続税の基礎控除額未満だったので納税額がゼロだから申告しなくてもいいというわけではありません。

税務署に申告書を提出してはじめて相続税がゼロになる場合もあるのでどんな場合でも申告したほうがいいでしょう。

相続税の計算手順とは?

では、まず相続税をどのようにして計算するのか。計算順番は以下のとおりです。

1.課税価格の合計額(遺産総額)を計算する
2.課税価格から基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を求める
3.法定相続分どおりに相続したと仮定して相続税の総額を計算する
4.相続人の実際の取得割合を計算する
5.相続税の総額をそれぞれの相続人の課税価格の比率で按分する
6.税額控除・税額加算をする
7.相続税額を確定する

1.遺産総額の計算

遺産総額は、まず相続した財産の評価額を求めます。
ここから差し引くものと加算するものがあります。

まず、差し引くのは以下の2点です。
a.非課税財産の金額
b.債務(借金)や葬式費用

そして、加えるのが以下の3点です。
c.死亡保険金などの「みなし相続財産」の金額から非課税金額を控除した金額
d.相続時精算課税適用財産の評価額
e.相続開始前3年以内に贈与された財産の評価額

こうして計算した金額が課税価格で、1,000円未満の金額は切り捨てます。


(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。




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課税遺産総額はどのように求めるのか


次の手順は課税遺産総額の計算です。

課税遺産総額は「遺産総額-基礎控除額」で計算します。

基礎控除額の計算式は平成26年12月31日までは「5,000万円+1,000万円 ×法定相続人の数」でした。
法定相続人が3人の場合は8,000万円まで控除できたわけです。

しかし、平成27年1月1日以降は基礎控除額が6割に縮小され、「3,000万円+600万円 ×法定相続人の数」となりました。
法定相続人が3人の場合の基礎控除額は4,800万円となります。

遺産総額から基礎控除額を差し引いた課税遺産総額がマイナスであれば相続税は発生しません。
しかし、基礎控除額が縮小されたことに伴い、相続税の課税対象となるケースは増加傾向にあります。

次に、法定相続分どおりに相続したと仮定して、相続税の総額を計算します。
相続人の法定相続分は以下のとおりです。
1.相続人が配偶者と子ども(第1順位):配偶者2分の1、子ども2分の1
2.相続人が配偶者と父母(第2順位):配偶者3分の2、父母3分の1
3.相続人が配偶者と兄弟姉妹(第2順位);配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

法定相続人が配偶者と子ども2人の場合は、相続財産を配偶者が2分の1、残り2分の1を2人の子どもで等分します。

そして、それぞれで求めた金額に相続税率を乗じて個々人の税額を計算し、それを合算して相続税の総額を求めます。
これを「法定相続分課税方式」といいます。

相続税の総額が決まったら、財産を受け取った人が実際に取得した取り分に応じて、相続税の総額を按分します。
なお、配偶者には税額の軽減制度があるため、①1億6000万円、②配偶者の法定相続分相当額のうち、どちらか多い金額までは相続税が発生しません。

そうであるなら、相続財産は配偶者が多く受け取るほうがいいのかというと、必ずしもそうとはかぎりません。
配偶者に多くを残すと、その時の相続税額は少なくなりますが、その配偶者が死亡したときの二次相続(夫が死亡したときを一時相続、妻が死亡したときを二次相続といいます)では、税額控除がないため、相続税が多くなってしまうためです。

相続税には税額加算もあります。
対象者は、被相続人の兄弟姉妹、内縁の妻や愛人などです。
これらの人が財産を取得した場合、それぞれが取得した財産に対する相続税がさらに2割加算となります。
これらを相続税額に反映させた金額が相続人の納付税額となるのです。


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