法人保険における「掛け捨て型」と「積み立て型」 | vol.348

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「掛け捨て型の法人保険」は入口には効果あり


前回のブログでは、解約返戻金があるタイプの法人保険の話をしてきましたが、すべての法人保険に解約返戻金があるわけではありません。
解約返戻金が生じる法人保険は、「保険料を月払いもしくは年払いで毎年積み立てれば、解約時に返戻金として戻ってくる」という意味で、いってみれば「積み立て型」 の保険だといえます。

「解約返戻型」とは逆のタイプとして「掛け捨て型」があります。
掛け捨てタイプの保険とは、支払った保険料が一切戻ってこない、という仕組みの保険のことです。
こちらは、「保障を買うためだけに保険料を支払う」目的のために加入する保険と言えます。

個人向けの保険には掛け捨てタイプが多いのですが、法人保険にも掛け捨てタイプの商品があります。
掛け捨てタイプの保険は、解約返戻金が出る積み立て型に比べると、保険料が大幅に安いというという特徴があります。
また、大きな特徴として、掛け捨てタイプの法人保険は原則的に、保険料の全額を損金に計上できます。
掛け捨てタイプの法人保険は 「保障に対してお金を支払っている」という点が明らかなので、税務上原則損金として認められるのです。
つまり、掛け捨てタイプは入口でのメリットは大きいといえます。
これに対して、解約返戻金がある積み立てタイプの法人保険は、「保障を買っているのだけではなく、資産形成を目的とした側面がある」とみなされるために、全額を損金に計上できない商品が多いのです。

しかし、掛け捨てタイプの法人保険は、出口におけるメリットを享受することを考えた場合、おすすめできるとはいえません。
「月々の保険料が安い」という点は非常に魅力的ですが、前述したような法人保険の出口メリットが享受できないために、資産形成という面で効果を得ることができないからです。

(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。
このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。



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解約返戻金を原資とした法人保険による資産形成


ここからは、解約返戻金についてもう少し詳しくご紹介していきましょう。
解約返戻金を「支払った保険料の全額がそのまま戻ってくる」と勘違いしている人もいますが、決してそうではありません。
前回のブログでご紹介しましたが、保険の種類や保険期間、経過年数などの条件によって、解約返戻金の額は異なります。

法人保険をうまく活用すれば、法人の売上金の一部を「預貯金」のように保険会社に預けることが可能です。
保険と預貯金とは全く異なるものですが、お金を一定期間預けておけるという点においては、保険会社も銀行も同様の機能を持っているといっていいでしょう。
それが、「法人保険には貯蓄効果がある」と言われる所以です。

法人保険が預貯金と違う点としては、払い戻し時に元本の全額が必ず戻ってくる元本保証というわけではないということが挙げられます。
また、預貯金であれば預けたお金が減ることはありませんが、法人保険の場合は預けた資産、 すなわち支払った保険料が元本割れするリスクが高いことにも注意する必要があります。
法人保険の中には 一定期聞を超えると解約返戻金の返戻率が大幅に減少するものもあります。
ただし法人保険には、預貯金にはない「保障」 の機能があります。
これは保険とういう性質上当然のことですが、もし保険加入している期間に、経営者にもしものことがあれば、支払った保険料何十倍という保険金が入ってきます。
法人保険は保険である以上、そのようなもしもの場合に備えて加入するものであり、 支払ってきた保険料は本来、保険金をもらってはじめて回収するものです。
しかし実際には、法人保険に加入して積み立てた保険金をもしもの場合に受け取る保険金として回収するのではなく、中途解約をして解約返戻金として受け取るというケースのほうが多いのです。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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