支店長が取引先を訪問する目的は、「定性情報」を集めるため | vol.386

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目的なしに、支店長が取引先を訪問することはない


取引銀行の支店長が、アポイントなしに、突然融資先および融資見込み先を訪問することがあります。
表向きは「新しい手帳をお持ちしました」、「近くまで来たものですから」などと言って。
手帳を配って歩くのは、わざわざ支店長がするような仕事ではありません。(中にはそういう先もありますが)

支店長が取引先を訪問する目的は、別にあります。

自分の目で「現場」つまり「定性情報」を確認することです。
支店長が直々に訪問するのは、お金を貸そうと思っている、もしくは既に貸しているからであり、「貸しても大丈夫か」「貸したお金をきちんと返してもらえるか」の最終判断をするためです。
銀行は、「2つ」の情報から融資の審査を行っています。
それは「定量情報」と「定性情報」です。
・「定量情報」:数字であらわせる情報。
売上高、営業利益、経常利益、売上高と経費のバランス、内部留保、キャッシュフロー、資金繰りなど
・「定性情報」:数字であらわせない情報。
会社の雰囲気、社内は整理整頓が行き届いているか、社長の人柄(人として真面目であり、信頼できるか)、社員の仕事ぶり、きちんと挨拶ができているか、会社の規則やルールに基づいているか(違法時間外労働がないか等)など

定量情報(会社の数字)は決算書を見ればわかりますが、定性情報は決算書から得られる情報ではありません。
そこで、支店長が自ら現場を確認するわけです。

こういった場合、社長が不在のときに支店長が来社したときは、「〇〇銀行の支店長が来て、今、帰られました」と社長に連絡が入る体制づくりができている会社は合格と言えるでしょう。
連絡を受け取った社長は、支店長の不在を承知ですぐに銀行に電話をかけ、電話対応した行員に「連絡があったことを伝えてください」と伝言を残しておくことによって、支店長は「あの会社には、大切な連絡が社長にすぐに伝わる体制づくりができている。そして、社長もすぐに連絡をくれる。こういったしっかりしている会社であれば、融資しても問題なさそうだ」と判断するのです。



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信頼できる会社からの紹介先は、定性情報の面でプラスになる


私の知人が代表を務める会社が赤字のときに、ある銀行に「3,000万円の短期借入れ」をお願いしたところ、謝絶となりました。
私は、その知人のこともその会社のこともよく知っており、とても信頼できる会社だと思っていました。そして、改善計画を実行中であることも知っていました。
そこで私は、自社の取引先の銀行に掛け合って、次のような話をしました。
「この会社は社長が人としてすごく信頼できる人物であり、会社もすごくしっかりしている。定量面も改善計画を実行中なので、なんとか融資お願いできませんか」 と。
すると、それから間もなく知人から融資を受けられることになった、と連絡が入りとても感謝されました。

実は、私は過去にも何社かを取引先銀行に紹介しており、銀行側も、私がプッシュした会社はデフォルトしていない実績を知っているのです。
知人の会社はその後、まず短期で3,000万円を借り、きちんと返済をして実績をつくったため、それ以降は、長期資金も借入することができるようになりました。
銀行は、赤字だから貸さないのではありません。
もちろん、定性面だけで借りられるものではありません。
しかし、赤字であってもその要因を分析し、改善計画をしっかりと策定し、実行できていれば、決算書の表面上の数字だけでなく、定性面と併せて判断してくれるのです。
その会社はしっかりと黒字の会社になりました。

つまり定量面と定性面両方が大切であり、定量面が一時的に低くてもそれを補えるものがあれば、銀行からお金を借りることができる可能性がある、ということです。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。



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