周囲の土地に比べて著しく広い土地は減額できる|vol.253

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前回は節税について、セットバックする土地と高圧線が上を通っている土地は評価減となる話をしました。
前回に引き続き、評価減となる土地についてご紹介します。


広大地は減額幅がもっとも大きい

相続税の土地評価で、もっとも減額幅が大きいのは「広大地(こうだいち)」です。

広大地に該当すると、路線価に比べて最大で65%の減額になります。
よって、広大地が適用されるかされないかで、相続税額は大きく変わってきます。

戸建住宅が多い地域にある大規模な土地は面大減価といって、土地の面積が大きくなるにつれて単価が下がっていきます。

理由は、土地は高いために、面積が広くなると買い手が限られてくるためです。

買い手のほとんどは個人ではなくて、戸建分譲業者です。
買い手が少なくなり、限定されることによって、単価を下げざるを得なくなります。
こういった売買需要を考慮して、広大地は相続税評価額が大きく減額されるのです。

広大地とみなしてもらうための4条件とは?

広大地には、その地域の標準的な宅地の面積と比べて著しく大きいという条件がありますが、土地の面積が広いだけでは広大地といえません。
次の4つの条件をクリアしていることが広大地の判定の最低条件となります。

① 大規模工業用地には該当しない
② マンション(中高層の集合住宅等)適地ではなく、戸建分譲用地としての利用が最適である
③ その地域の標準的な宅地の面積と比べて著しく大きい
④ 宅地開発を行う場合に道路や公園などの公共公益的な負担が必要になる

広大地に該当しない条件の①大規模工業用地とは、一団の工業用地の面積が5万㎡以上のもので、このような土地は用途地域が工業専用地域にあるため、そもそも住宅建築が不可となっています。
一般的には前述の②~④までの3つの条件を満たしているかどうかが、広大地判定の大事な判断基準となります。


(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。




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広大地認定を得るには土地面積が絶対的な条件というわけではない


容積率300%以上の地域内にある土地は、マンション適地に該当しますが、それ以外の土地については、周囲の状況や専門家の意見等から判断することになっています。
つまり、明確な条件がはっきりと決まっているわけではないため、税務当局と見解の相違が生じることがおこることがあります。

周囲に戸建住宅がある土地は、容積率の低い地域が多いです。また、このような地域では「高さ制限」といいまして、建築物の高さに制限が設定されています。
従いましてこのような土地は、マンション適地とはいえず、広大地と判断できますが、土地が容積率200%の地域にある場合が少し問題です。
理由は、この地域については、マンションと戸建てが混在していることが多いためです。

ただ、税務当局によると、「周囲の状況や専門家の意見等からして判断して明らかにマンション用地として適していると認められる土地を除き、戸建用地として判断して良い」とされています。
これは言い換えれば、専門家である不動産鑑定士が鑑定した鑑定評価書または広大地の意見書によって広大地と認定されれば、広大地と認められるということです。

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先ほどお話ししましたように、容積率200%の地域についても広大地と認定されるケースがあります。

広大地の面積については、目安として、三大都市圏(首都圏、名古屋圏、大阪圏)ではおおむね500㎡以上とされています。
しかし、500㎡未満であっても、必ず広大地に該当しないとは言い切れません。

広大地とされるのは、その地域の標準的な宅地の面積と比較して、著しく大きいことが条件です。

例えば、三大都市圏の平均住宅敷地面積は100㎡台が多いため、この地域では広大地とされる面積は500㎡以上になります。
しかし最近では、東京23区中心に区画70~80㎡くらいの小規模開発が多くなっています。
そうした地域では、500㎡未満の土地でも広大地と認められることがあるのです。

よって、画一的に面積が絶対的な条件で決まるのではなくて、周囲の住宅地の環境や土地がどういう場所にあるのかなどによって、広大地と認められるかが決まってくるのです。

なお、広大地ではない土地の場合、評価額を計算するときには、奥行価格補正率に間口狭小補正率をかけるなど、該当する補正率を重複して適用することが可能です。
しかし、広大地については、減額幅が大きいので、ほかの多くの補正率と重複して適用することはできません。

ただし、都市計画道路予定地の評価、高圧線下地の評価、生産緑地の評価などについては重複して適用できることになっています。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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