不動産鑑定士もしくは不動産に詳しい税理士に評価を依頼して相続税の過払いをなくそう | vol.259

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前回のブログでは、相続税の計算方法や対象財産等について書きましたが、今回は、なぜ相続税を多く支払ってしまうのか、その理由について書いていきます。

相続税を多く支払うということが起こるのは、相続財産を実際の価格よりも高く評価して申告してしまうためです。
誰だって余計なお金は支払いたくありません。

なので、そんなことが本当にあるのか?と、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それが実際にあるのです。


相続財産は財産の種類ごとに評価方法が決まっている

相続財産は、財産の種類によって評価方法が決まっています。

相続財産が現預金・上場株式・公社債の場合

現金や預貯金はほとんどが額面そのまま相続税評価額になります。
上場会社の株式や公杜債についても、評価方法が決まっていて、評価金額に誤差はほとんどありません。
相続する財産が現金・預金、そして上場会社の株式・公社債だけということであれば、相続税の申告において払い過ぎが起こることはまずないでしょう。

相続財産が非上場株式の場合

非上場株式と土地・建物も、評価方法が決まっています。
上場会社の株式は、証券市場で取引が行われているので、市場の評価額がそのまま相続税の評価額になります。
株式市場は景気動向に左右されますが、一般的に非上場の株式会社より時価総額が大きくなりがちなので、企業家の方がご自身の会社を成長させ、株式上場させた後でそのまま株式を持ち続けてお亡くなりになってしまった場合、相続税額を算定すると天文学的な金額になることもあります。

非上場の株式会社は市場での「取引価格」がないので、業種、会社の規模、利益金額、配当金額、それに純資産価額などをもとに、評価額を算出します。
非上場株式は、会社の顧問税理士が評価することが多いです。

会社の顧問税理士ですから、その会社に不利益にならないよう厳正に評価します。
よって、よほどのことがないかぎり、実際よりも高く評価することはまずあり得ないでしょう。

相続税の払い過ぎの大きな原因は土地評価方法にあり(土地は「一物四価」)

だとすると、相続税を多く支払ってしまう理由として、一番問題なのが不動産、なかでも土地の評価方法です。
土地は1つとして同じものはありません。
形や面積、場所はもちろん、公道に接しているのか、土地の種類(地目)はどうなっているのかなどによって評価額が変わってきます。

土地の評価は一物四価といわれ、 1つの土地であるにもかかわらず、次の4つの価格があります。
1.実勢価格
2.公示価格
3.路線価
4.固定資産税評価額

1.実勢価格(時価)
実際の土地売買の価格ですから、土地の評価額としてこれ以上ない正確な評価額です。

2.公示価格
国土交通省が毎年1月1日時点の価格を3月に公示するもので、一般的に実勢価格の 90 %の水準といわれています。

3.路線価
相続税・贈与税を算出するときの評価方法で、実勢価格の約 80 %の水準とされています。
つまり、路線価で評価すれば、実勢価格よりは有利になるはずです。

4.固定資産税評価額
固定資産税の基準となる評価額です。
固定資産税は資産課税のための評価額なので、ほかと比べると最も低く、実勢価格の70%といわれています。

このように、同じ土地でも評価額は異なるのです。

4つの価格があることが問題なのではありません。
土地の評価額は単純計算ではいかないことが間題なのです。

地価は必ず上昇するというわけではありません。
路線価は実勢価格の約8割の評価だといっても、地価が下がる局面では実勢価格と路線価が逆転するケースもあります。

また、広さが同じ面積の土地で路線価が同じ道路に面していても、接する面の長さや土地の形によっても評価額が変わります。
さらに、同じ面積の土地で同じ形状をしていても、両隣が住宅である土地と、両隣がパチンコ店や居酒屋などの土地では、評価額は違ってきます。


(おことわり)著者は銀行員上がりで世間の方々より若干税金に詳しい程度です。調べたうえでブログ記事を書いていますが、日本の税金制度は毎年変わりますし、税務署の解釈が異なる場合もあります。このブログの記事だけを頼りにせず、必ずあなたの顧問税理士に確認を取ったうえで、もしくは税務署が主催している相談会などで確認をしてください。




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適正な土地建物の相続税評価額を得るには?


同じ地域で、同じ面積と同じ形状だからといって、まったく同じ環境とみなして決められた評価方法どおりに評価すると、過大評価となってしまう恐れがあります。


不動産鑑定士および相続税に詳しい税理士に依頼しよう!(餅は餅屋へ)

ちなみに、不動産鑑定士でも、100人いれば100通りの鑑定結果が出てきます。
つまり、不動産鑑定士が法律に基づいて鑑定評価をしても、土地の価格が同じ評価になるとはかぎらないということです。
土地の評価はそれほど簡単ではないのです。

さらに、相続税の申告では、税理士なら誰でもいいと思って依頼する方が多いのです。
知り合いに紹介された税理士や、会社の顧問税理士に依頼することが多いのではないでしょうか。

しかし、会社の財務に詳しい税理士が相続に詳しいとはかぎりません。
お医者さんに専門科があるように、税理士にも専門があります。

会社の税務が専門の税理士もいれば、相続が専門の税理士もいます。
とくに、相続税では不動産の評価によって税額が大きく変わってきます。

不動産に詳しくないと、決められたとおりの評価をするために、結果的に過大評価となってしまい、それが相続税の払い過ぎにつながる原因の一つになっているのです。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。

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