トランクルームビジネスにおけるトラブルと対策|vol.196

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トランクルーム大家です。近年のトランクルームの普及により利用者が増加していますから、今後、トランクルームが抱える問題がさらに多くなっていくことでしょう。

なぜなら、トランクルームビジネス、特に不動産賃貸業者によるトランクルームビジネスには業界統一的なサービス品質基準のようなものはないため、似たり寄ったりのサービスを展開していてもサービス品質にばらつきがあるのです。

倉庫業者によるトランクルームビジネスは基本的に国土交通省の規制下にあり、収納庫の設置基準が厳格に定められているので品質のばらつきは相対的に少ないです。ただし、高品質ゆえ、賃料が高めになるという難点があります。

消費者センターに問い合わせがあったトランクルームサービスに関するトラブルには、保管した物品にカビや汚損が生じる、ホコリが付着するなどの内容が多くあげられます。


問題点の傾向と対策

さらに、利用者は倉庫事業者によるトランクルームと非倉庫事業者によるトランクルームに違いがあることをきちんと分かっていないケースが多かった、という結果が出ています。
保管収納スペースに対しては、利用者から、温度や湿度など環境面に関する不満の声もあがっています。

倉庫事業者におけるトランクルームでも、一部ではクオリティに関するクレームが聞かれましたが、概ね最低限のサービス水準に達しているところが多いです。
ただし、利用者の物品の保管責任を負うわけですから、倉庫事業者は現行レベルのさらなる向上に努める必要があります。

個人の利用者の割合が高い非倉庫事業者のサービスは、収納スペースの賃貸借であり、 物品の管理は利用者の自己責任に委ねられてはいますが、そのスペースを利用した際の品質面の不満 が多く、事業者としては、契約時にスペースの品質の程度に関して正確な説明を行うことが必要であるとともに、その品質を確実に提供する必要があります。

利用者からのトランクルームに関する苦情や問い合わせは、まず消費者センターに寄せられるケースが多いようです。しかし、消費者センター等の相談員は、ありとあらゆる分野の苦情や問い合わせ、相談などを受けています。よって、消費者センター等の相談員はトランクルームサービスの一律でないサービスを理解していない場合もあり、相談者にきちんとした正しい説明ができていないケースも見受けられます。
具体的には、倉庫事業者と非倉庫事業者のトランクルームサービスの違いや倉庫事業者の認定トランクルーム制度、非倉庫事業者のレンタル収納スペース推進協議会の存在等について十分な理解がなされていません。

利用者に対して、倉庫事業者と非倉庫事業者のサービスや契約形態、物品の保管責任等の違いをきちんと説明していない非倉庫事業者も見受けられます。
また、契約締結時に、契約内容について十分な説明をしていないケースから、サービス利用後のクレームやトラブルにつながるケースが増加傾向にあります。
消費者保護対策を強化する上で、消費者センター等との連携を今まで以上に強化していくことが必要であるとともに、消費者センターの相談員との情報提供や意見交換の場を積極的に設けていくことが大切になります。

最近では、倉庫事業者によるトランクルームサービスでは、保管料の滞納などによる貨物の処分について苦慮しているケースが見受けられます。
ほかには利用者の所在不明や料金未回収などのトラブルが多いようです。

非倉庫事業者のトランクルームサービスでは、賃貸借契約を締結しなければならないが、契約実務が適切に行われていないことからトラブルに発展するケースが少なくありません。
とくに、インターネットで申し込むケースが増えてきているので、申し込みの取り消しや解約に関するトラブルも多く発生してきています。

非倉庫事業者が賃貸借契約において、そのサービスの多くを倉産事業者と同様にトランクルームという名称を用いています。これが、利用者がサービスや契約内容の差異について正しく理解することの障壁となっている一因です。


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仲介業者を介したトラブル


近年は、引越サービス業者およびリフォームや住宅販売サービスを行う事業者等がトランクルームサービスを仲介する場合があります。
こうした仲介事業者は、自社の提供するサービスの一環として、家財道具等の一時的な収納をサービスとして提供するケースが見受けられ、その受け皿にトランクルームサービスを利用しています。

しかし、トランクルームサービスの仲介事業者が倒産等により所在が不明となり、物品が放置される状態となってしまうトラブルが最近増えています。トランクルームに収納している物品の所有者は、 仲介事業者に依頼した者ですが、トランクルームサービスとの契約当事者は仲介事業者であることから、 物品の本来の所有者が直接トランクルーム事業者と交渉しても問題が解決できないことが少なくありません。
この問題は、倉庫事業者、非倉庫事業者の両方で発生しています。
住宅仲介事業者などは、競争を勝ち抜くため、トランクルームサービスの仲介等付加価値をつけたサービスを提供するなどして差別化を図っています。今後、サービスの多様化を図る業者が増えていくことから、このようなトラブルは今後も増えていくでしょう。


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