優良会社の「資金運用に関する方針」 その2 | vol.395


銀行に優良会社と見てもらうための経営計画書のつくりかた その2:定量面の情報提供


前回のブログでは優良会社の経営計画書の「資金運用に関する方針」に明記されている内容について、定性面の提供についてご紹介しましたが、今回からは定量面の提供についてご紹介したいと思います。

1.財務体制を充実して、現金と普通預金の合計が長期借入金残高を上回り、実質無借金経営にする。

この会社は、約15億円の借入金に対し、約15億円の現預金(現金+普通預金)があり、かつ定期預金が3億円あるため、実質無借金経営です。
このような状態になると、多くの社長は、「現預金で借入れを全額返済しよう」と考えます。
しかし、無借金の会社になると、銀行は、お金をすぐ必要としているときに急いで借りたくても、融資に時間がかかってしまします。
よって、無借金経営ではなく、「実質無借金」が理想なのです。

2.節税で長期借入金を増やすとともに、月商の3倍の現預金を確保し、緊急支払い能力を高める。

銀行は「確実に返済をしてくれる会社」に融資をします。
月商の3倍の現預金を確保しておけば、銀行は「この会社は、支払い能力がある」「この会社はキャッシュフローに余力がある」と判断し、融資をしてくれます。

以前お会いしたある銀行の役員が、こう言っていました。
「うちの銀行の融資判断のひとつの目安は、現預金をいくら持っているか、です。月商の1倍のお金があるところには、基本的には前向きに融資します。」と。
優良会社は、「1倍」ではなく、「月商の3倍」現預金を持っています。
だから信用度が高いのです。

水と空気と安全は、昔はお金をかけるものではありませんでした。

しかし、今は違います。
お金を払ってミネラルウォーターを買い、お金を払って空気清浄機を買い、お金を払ってホームセキュリティーを導入しています。

安全・安心は、お金を払って買う時代なのです。

銀行からの融資も、多少意味合いは違いますが、考え方は似ています。
利息を払って銀行からお金を借りることは、安全を買うことなのです。

3.売上伝票と銀行入金額は毎日突合し、現預金残高を社長に報告する。

社長のもとには、毎日「135(93)」といった数字がメールで届きます。
この数字は、前月同日と、今日現在の現預金の残高をあらわしているものです。
「前月の同日には、現預金の残高が9,300万円あった。今日は1億3,500万円ある」という意味です。
残高が増えているなら問題ありません。
しかし、「93(135)」だと、現預金が減っていますから、「売掛金の回収が遅れている」のか、「売上が下がっている」のか、あるいは別の要因なのか、その原因を突き止めることが可能です。

さらに、その会社では、定期的に「お金の棚卸し」をしています。

大半の社長は、「 A銀行には、いくら残高がある」と思っていますが、それを自分の目で見て確認したことはあるでしょうか?
「経理に任せているから、大丈夫」と思っているかもしれません。

しかし優良会社の社長は、残高証明書を取り寄せて、「A銀行にいくらあるのか、 B銀行にはいくらあるのか、 C銀行にはいくらあるのか」をチェックしています。

4.意図してバランスシートの科目の数字を変える。

資金繰りを改善したければ、バランスシート(貸借対照表)の勘定科目を意図的に変える必要があります。
バランスシートの右側には「負債および純資産の部」、左側には「資産の部」が記されています。

  • 「負債および純資産の部」:資金をどこからいくら調達したか。科目は、資金調達しやすい順に並んでいます。
  • 「資産の部」:集めたお金や利益がどんな資産に変わったか。科目は、現金化しやすい順に並んでいます。

バランスシートの中身を決めるのは、社長自身です。
資金の調達額や資産の額が同じでも、意図的に勘定科目を変える、あるいは、資産を社長個人や別会社にシフトすると、財務評価が変わります。

では、バランスシートの数字をどのように変えれば、銀行からの評価が上がるのでしょうか。
「負債の部は、より下位の勘定科目に数字を移す(下位科目を増やす)」
「資産の部は、より上位の勘定科目に数字を移す(上位科目を増やす)」
これが基本となります。

負債の部は、資金を調達しにくい下位科目の数字が大きいほうが、格付けが上がります。
一方、資産の部は、固定資産よりも流動資産が多いほうが、銀行からの評価はあがります。
理由は、現金化しやすい科目が多いほど 貸付金を回収しやすいからです。


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きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
あなたの不動産投資事業が成功することをお祈りしております。
トランクルーム大家より。

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