不動産屋はどのような物件を仕入れるのか|vol.208

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不動産屋がどうしてそんなに儲かるのか?
その理由は「回転が速い」からです。

「回転」とは、売買回転のことで、仕入れた不動産を販売し、売却完了で1回転となります。1回転に要する期間が回転期間。回転期間が短ければ短いほど、「回転が速い」と言えます。

不動産の販売回転率


分譲地や分譲マンションのような一つの地区に何区画も売物件がある場合や、申請などが必要な場合は別ですが、1物件単位では取得してから大体3ヶ月以内には完売しています。

物件によって違いはあるものの、「仕入の段階で見立てに間違いがなければ」、 1ヶ月以内で売却できることもありますし、6か月近くかかることもありますが、平均すればおおむね3ヶ月以内には売却できています。
でも、これはたまたま3ヶ月になったのではありません。3ヶ月で売却できるように計画しているからです。締切から逆算し、価格を設定し、計画的に実行しているわけです。

なぜそのように計画するかというと、大きな理由は2つあります。

不動産業者が販売回転を上げる理由1:決算

1つ目の理由は、一言でいえば決算があるからです。
不動産会社に限らずですが、決算書はその会社の生命線のようなものです。
不動産会社は金融機関からの借入によって不動産の仕入をしていることは、前のブログでも触れましたが、決算書の内容が良好でなければ、融資を受けることはできません。

融資を受けるイコール決算書の内容如何です。
金融機関は、決算書の内容が良ければ融資に積極的になるし、決算書の内容が悪ければ、融資は消極的になります。不動産会社は融資を受けられないと、どんなにいい物件があったとしても、その物件を仕入れることができないのです。

不動産業者が販売回転を上げる理由2:銀行の融資スキーム

2つ目の理由は、融資期間の短さです。
”ぽっと出”の不動産会社がこの種の仕入れ販売をするとなりますと、銀行の融資期間は1年程度、優良先で3年程度であることが通常です(例外もあります)。近年上場した不動産会社の取締役の方とお話しした際(どの会社さんなのかは秘密ですが、セミナーにお越しの方には差し支えない範囲でお話ししましょう)、上場によって社債発行含め資金調達の幅が広がった結果融資期間が5年迄伸びた、大変助かるという趣旨のお話をされていました。



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このブログを読んでいる方の99%は個人で、1%ほどはプロの不動産業者さんです(アクセスログによると)。個人の方で5年のローンで不動産を買う方は、まずいないでしょうね。アパートローンなどで15年から35年のローンを組んで不動産を購入していると思います。

それはなぜか、考えたことはありますか。

個人の方がローンで不動産を買う場合、十中八九、給与所得者であることから、定年までの生活費は給与から得られるキャッシュフローを充当できる(場合によっては、当該不動産の返済も給与から一部充当する)という前提でローン・ストラクチャーを考えます。アパートローンもこの種の商品の一種です。もちろん対象不動産の資産性によりローン年限が伸びたり縮んだり、金額が伸びたり縮んだりしますし、対象物件に対する事業性も加味はしますが、ローン実施の大前提として勤め人であることが重要となります。したがって、給与所得者でも特に「属性が良い」と言われる方々、例えば医師や看護師、公務員、サムライ業(弁護士、税理士、会計士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士、建築士 などなど)、大企業正社員などはローンの金額が伸びやすいです。銀行側の審査担当者も人間ですので、「本業が安定していそうか」「高給が維持されそうか」といった面のイメージに影響されやすいのですね。

もちろん、こつこつ投資資金をためてきた方、過去の不動産賃貸事業への取り組み実績が優秀な方は属性如何とは別に高い評価を得られます。

実際のところ、私のところに相談にお見えになる方の半分は後者ですね。


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販売回転速度の巧拙が銀行からみた不動産会社の評価に直結

以上のように販売回転速度を上げる必要が制度上あるのが不動産会社の宿命であります。
いずれにせよ、どんなにいい物件が見つかったとしても融資を受けられる範囲内でしか仕入れることはきません。
金融機関は会社ごとに正常先、要注意先など(正常先の中でもさらにランク分け)に分類し、ある程度の貸出金の限度を決めています。
A社は2,000万円、 B社は3,000万円、 C社には1億円といった具合に。
不動産会社は借入できる範囲内で資金繰りを行います。
その範囲内で、資金を回して返済していかなければ、限度額の余力は増えていきません。
B社は、5,000万円借入して仕入れをしても、年に1回転であれば5,000万円の売上です。 A社は2,000万円の借入であっても年に3回転すれば6,000万円の売上となります。

このように、どれだけ早く販売できるかが不動産会社の売上を伸ばすためには欠かせないのです。
そして、売上増、収益アップは、決算書にダイレクトにつながり、金融機関からの融資額増加にも関わってきます。

3ヶ月は1年の1/4にあたるため、四半期と言います。目標達成するためには、3ヶ月間でどれだけ利益を上げるかを考えます。
よって、物件を仕入れる時も、3ヶ月で売却できる物件かどうかで判断します。

売れる可能性があっても、売却に時間がかかりそうなものは仕入れません。

資金が潤沢にあれば別ですが、限られた資金の中で回転を上げるためには売れる物件に特化する必要があるのです。
3ヶ月の売却計画に合うような、現実的な物件だけを選んで仕入れをしています。
重要なことは、売れるために必要な事項を決定し、それに沿って行動すれば、限られた期間内でも結果を残すことができる、ということです。

「利益を上げるためにはリスクもあるし、簡単にはできそうがない」、「長年の不動産経験がなければ儲けることはできないのか」 そのように感じられたかもしれません。
ただ、素人が、不動産屋と同じ方法を実践したところで同じように利益を上げることはできません。

このブログを読んでいる多くの方は不動産屋ではないと思います。 目的は、不動産屋のように不動産を仕入れ、販売することではありません。
皆さんが所有している不動産を「儲かる不動産」に変えることです。

この種の不動産屋は、売買回転率を上げるために専属で人を貼り付け、円滑な融資環境の維持のために銀行巡りをし、仕入対象不動産の情報収集のための専門業者(通称「物上げ屋さん」)とコミュニケーションをとりながら、これはという物件が出ると光の速さで購入に至ります。
つまり、それくらい専念していないと彼らと同じ土俵で稼ぎつづけることは難しいということです。

個人の方が見様見真似で同じことをしても、
不動産屋と同じことをしても利益を上げるどころか、失敗してしまうリスクも大きくなります。

一方で、ここまで注意深くわたくしの原稿を読んでくださった方であれば、専業不動産屋の構造的な弱点にお気づきになったのではないでしょうか。
そこが専業不動産屋には入っていけない領域なので、個人の素人の方でも戦う余地はあるのです。
素人の方でもどうにかできる方法について、また次回以降書いていきたいと思います

きょうもここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
トランクルーム大家より。

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